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大塚製薬、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」におけるビタミンDの摂取基準改定に関するプレスセミナーを開催、骨折防止を重視し摂取目安量を8.5μg/日に引き上げ

2019.11.05 19:55 更新

 大塚製薬は、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」におけるビタミンDの摂取基準改定に関するトピックを伝えるプレスセミナーを11月1日に開催した。セミナーでは、ビタミンD研究の第一人者である神戸学院大学 栄養学部教授の田中清先生が、ビタミンDにおける食事摂取基準の改定点について説明した。また、田中先生とトータル・コンディショニング・コーディネーターの酒井リズ智子氏による、ビタミンDをテーマにしたトークセッションが行われた。プレスセミナー終了後には、ビタミンDリッチなランチメニューが振る舞われた。

 「骨の構造をビルに例えると、コラーゲンが鉄筋、リン酸カルシウムの沈着(石灰化)がコンクリートの役割を担っている。つまり、骨はコラーゲンの枠組みの上に、リン酸カルシウムが沈着して作られている。その中でビタミンDの基本的な役割としては、腸管からカルシウムとリンの吸収を促進する作用を持っている」と、神戸学院大学 栄養学部教授の田中清先生が、骨の構造とビタミンDの役割についてわかりやすく解説。「ビタミンDの摂取目安量は、『日本人の食事摂取基準』に設定されているが、2000年版の2.5μg/日から、2005年版は5μg/日、2010年/2015年版は5.5μgと増え続け、今回の2020年版では8.5μg/日と大幅な改定が行われた」と、最新の「日本人の食事摂取基準」においてビタミンDの摂取目安量が大幅に引き上げられたと説明した。

 「骨粗しょう症による骨折は、椎体骨折以外、ほとんどが転倒が原因で起こっている。現在、日本人のほぼ全員がビタミンD欠乏・不足の状態とされているが、ビタミンDの不足が骨密度低下と筋力低下を招き、この両面から転倒による骨折リスクを増加させることが懸念されている」と、ビタミンD不足は骨粗しょう症性骨折を引き起こす重大な危険因子なのだと指摘する。「こうした背景を受け、2020年版のビタミンD摂取基準量の改定では、骨折リスクを増大させない量を算出し、前回から策定根拠を見直した。骨折予防に必要な量の15μg/日から、日照により皮膚で産生される量の5μg/日を引き、実現可能性を考慮した結果、成人の摂取目安量として8.5μg/日を策定した」と、今回の改定では骨折リスクを上昇させないことを重視して、ビタミンDの摂取目安値を設定したのだと教えてくれた。

 続いて、日経BP総研 客員研究員の西沢邦浩氏が座長を務め、田中先生とトータル・コンディショニング・コーディネーターの酒井リズ智子氏によるトークセッションが行われた。まず、日常生活の中でビタミンDをどう補給すればよいのかを問うと、田中先生は、「本来、ビタミンは体内で生成できないものだが、日照から紫外線を浴びることで、ある程度の量であれば皮膚で生成できる。しかし、日照によるビタミンD産生量は季節や緯度の影響が大きい。また、脂の乗った魚にはビタミンDが豊富に含まれているので、魚から摂取することもできる」と、紫外線と魚がビタミンDの大きな補給源であるという。酒井氏は、「欧米では、ビタミンDを強化した食品がスーパーマーケットなどで当たり前のように売られている。とくに、オレンジジュースやミルクは、ビタミンDが強化されていないものを探すほうが難しい」と、海外ではビタミンD強化食品が日常的に取り入れられていると話していた。

 スポーツチームやアスリートのトータル・コンディショニングのコンサルティングを手掛けている酒井氏に、スポーツとビタミンDの関係について聞くと、「海外では、チームが選手に対して、積極的にビタミンDを摂取するように促している。実際に、大学アスリートを対象にビタミンDの摂取量と筋力の関係を検討した調査では、ビタミンD濃度が低い人ほど筋力テストのパフォーマンスが低くなっていた。そのため、トップクラスのスポーツ選手ほど、ビタミンDは重要な栄養素であると認識している」と、スポーツでのパフォーマンスを高めるためにはビタミンDの摂取が欠かせないとの考えを示した。「とくに、運動直後はビタミンDが大量に消費され、免疫力も下がっているため、インフルエンザなどに感染するリスクが高まる。運動した後には、ビタミンDをしっかり摂取するようにしてほしい」と、運動後にはビタミンDを摂取することが大切であると述べていた。

 「ビタミンDは脂溶性のビタミンであるため、摂りすぎるのはよくないと考えられがちだが、ビタミンDの摂取で問題が起こった例は一つもなく、『日本人の食事摂取基準(2020年版)』でも耐容上限量は100μg/日に設定されている。ビタミンDは、摂りすぎると危ないというのは大きな誤解で、非常に安全性の高いビタミンであるといえる」と、田中先生は、安心して目安量のビタミンDを摂取してほしいと訴えた。新しい摂取目安量8.5μg/日を達成するためのポイントについて、酒井氏は、「日本ではビタミンD強化食品があまり販売されていないので、魚の缶詰などを利用して、魚を食べる機会を増やすことを推奨している。また、牛乳やヨーグルトなどの乳製品には、ビタミンDが強化されているものもあるので、積極的に活用してほしい」とアドバイスしてくれた。

 この後、ビタミンDを豊富に含んだ食材を使ったビタミンDリッチなランチメニューとして、「秋鮭のリエット、塩イクラ添え」、「シラスチップと戻りカツオのタルタル」、「旬のキノコのスープ」、「メカジキのソテー、トンナートソース」の4品が提供された。

大塚製薬=https://www.otsuka.co.jp/


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