健康食品・医薬品

キリン、ヤフーと共同で「プラズマ乳酸菌」の労働パフォーマンス改善効果を確認、「プラズマ乳酸菌」を健康経営に役立つ素材としてオフィス需要に提案

2018.11.19 16:58 更新

 キリンは、11月15日に「キリンのCSV経営『健康』に関する発表会」を開催した。同発表会では、キリンの「健康」に関する取り組みについて紹介した他、「健康経営」を掲げているヤフーとの共同研究による「健康維持を通した労働効率改善の取り組み」についても説明した。この共同研究は、ヤフーの産業医である白岡亮平先生が、キリンが世界で初めて発見した「プラズマ乳酸菌」を、社員の健康管理に応用できないかと着想したことがきっかけで行われたもの。この研究によって「プラズマ乳酸菌」の労働パフォーマンス改善効果を確認したことを発表した。

 「当グループは、消費者の期待と社会課題にこたえる価値の創造を目的に、自然と人を見つめるものづくりで、“食と健康”の新たなよろこびを広げている。そして2021年のビジョンでは、酒類、医療、医薬・バイオケミカルを中核とした当グループの事業を通じて、社会課題に向き合い、消費者を理解して、新しい価値を創造することで、社会とともに持続的に成長することとしている」と、キリンの磯崎功典社長が挨拶。「当グループのCSV経営では、地域社会、健康、環境という3つの社会課題に取り組み、消費者と共に幸せな未来を目指すべく、昨年3月に『キリン健康宣言』を発表した。こうした健康経営によって、労働力の確保や経済の活性化につなげていくだけでなく、明るく健康で活き活きと働くことのできる環境の醸成は、イノベーションを実現する組織をつくると考える」と、同グループが健康経営に取り組む所以について言及した。

 「健康経営の一環として、睡眠に関する施策を拡充している。この背景には、生活習慣病と睡眠の関係について多くの研究が発表されているだけでなく、睡眠で休養が十分とれていない人の割合が増加していることも、厚生労働省が平成29年『国民栄養・健康調査』で発表した」と、従業員の健康サポートとして睡眠にフォーカスした経緯を紹介。「まず、睡眠アプリを活用し、従業員の睡眠状態を調査。睡眠がプレゼンティーズムに影響していることを確認した。また、健康リテラシー向上のため、若年層への保健指導試行も開始。指導プログラムに睡眠対策を導入する。さらに、睡眠にフォーカスした健康セミナーも開始した。睡眠とプレゼンティーズムの関係などの知識、情報を提供していく」と、具体的なサポート内容について教えてくれた。

 「そして、『キリンビール横浜工場の従業員には、1ヵ月間、『プラズマ乳酸菌』カプセルを毎日摂取してもらったところ、プラセボ比較で、インフルエンザ・風邪の罹患率に有意差が見られた。そこで、今年12月から来年2月までの3ヵ月間、中野グループ本社全従業員を対象に、『プラズマ乳酸菌』商品を自由に摂取できる環境を提供。さらにモニター募集も行い、『プラズマ乳酸菌』摂取による変化を検証していく」と、インフルエンザ予防による従業員の健康づくりを支援していくと発表した。

 「また、働き方改革として『なりキリンママ・パパ』の全国展開を行う。なりキリンママ・パパとは、育児や介護などを想定し、時間制約がある働き方を疑似体験し、労働生産性を向上させるキリングループ独自の施策となっている」と、柔軟な働き方に関する取り組みについて紹介。「今年2月から6月までに、グループ本社12部門91名が参加。所定外労働時間約60%を削減(前年月比)した。これによって理解し合える風土の醸成に貢献したものと考える」と、なりキリンママ・パパの実績と成果について報告してくれた。「これを社外に拡大するべく、神戸市での導入が決定した。鳥取県では自治体のモデル事業として政策に採用された」とのこと。「今後は、来年にグループ従業員6500名を対象に拡大。2021年までに残場所全従業員1回以上の体験を目指す」と、同グループ従業員全員が体験できるようにしたいと意気込んでいた。

 次に、乳酸菌事業の進捗と今後について、キリン 事業創造部の佐野環部長が説明した。「これまで培ってきた食品事業を中心としたキリンの強みに、グループ内の技術・基礎科学を積極活用し、人々の健康に貢献する事業を展開する」と、健康領域における事業展開について紹介。「未病・予防領域においては、人間が本来持つ『免疫』が重要と認識している。当社は30年にわたり、免疫学に着目し、基礎研究を進めてきた」と、健康領域を俯瞰する考え方について言及する。「当社が発見した『プラズマ乳酸菌』は、免疫の司令塔を直接活性化する乳酸菌で、その効果については、様々な検証が進んでいる」とのこと。「具体的には、風邪・インフルエンザ様症状・発症リスクを低減。今年4月には、肌フローラのバランスを維持し、肌のバリア機能を高める可能性を確認した。そして、今年7月には、激しい運動による体調不良を抑え、疲労の蓄積を軽減することを発表した」と、エビデンスを多数発表してきたと胸を張る。

 「一般的な乳酸菌は、免疫細胞の司令塔を活性化できないが、『プラズマ乳酸菌』は免疫細胞全体の活性化が可能だ。こうした機能性が消費者から支持されて、乳酸菌事業本格参入の今年は約55億円と目標の1.5倍を達成する見通しだ。そして、3年後には売上2.7倍の150億円に拡大させたい」と、乳酸菌事業を同グループの新たな柱に育てていきたい考えを示した。「売上拡大の施策については、現在、全国の病院売店、クリニック、調剤薬局など約2000店でタブレットを販売している。取り扱い医療機関をさらに広げていくだけでなく、社食などの展開を見据えた業務用粉末タイプの販売やヨーグルト、飲料などのオフィスでの販売も行っていく」と、健康経営に役立つオフィス需要への提案を今後推し進めていくとのこと。「さらに、遺伝子解析を行う会社と新たに連携するなど、他企業とのアライアンスを強化していく」と、人々の健康に貢献するべく、様々な企業と手を組み、乳酸菌事業を拡大させていくとアピールした。

 そして、プラズマ乳酸菌摂取と健康維持および生産性向上の相関関係についてヤフー 統括産業医の白岡亮平先生が発表した。「キリンビール横浜工場の従業員を対象に、プラズマ乳酸菌を4週間摂取してもらったところ、免疫指標の上昇や風邪の諸症状の低下が認められた。この結果から、社員の健康維持・労働生産性の改善に応用可能ではないかと考えた」と、共同取り組みの経緯について紹介。「健康関連コストのうち、医療費などの直接的なコストは2割以下となっており、プレゼンティーズム低下などの間接的な損失コストをいかに対処するかが、労働衛生上の大きな課題となっている」と、労働生産性の課題について言及。「プレゼンティーズムとは、出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題によって、充分にパフォーマンスがあがらない状態とされ、労働生産性の低下を評価する指標として近年注目を集めている。そこで、プラズマ乳酸菌含有食品の摂取がオフィスワーカーの健康および労働パフォーマンスに与える影響評価試験を行うことにした」と、ヤフーの従業員226名に対し、プラズマ乳酸菌を1000億個含む飲むヨーグルト飲料を昼食時に摂取してもらう試験を4週間実施した。「その結果、体調や風邪の諸症状に関連する多くの項目で有意な改善が認められた」とのこと。「活気の項目で有意な改善効果が認められた」と、プラズマ乳酸菌摂取で活気が向上したのだという。「プレゼンティーズムでも有意な改善効果が認められた」と、食品の摂取によってプレゼンティーズムが改善したのは、世界初の結果なのだという。「この結果から、労働者の健康や労働パフォーマンス向上の施策として、プラズマ乳酸菌を取り入れることは非常に有効であると思われる」と、プラズマ乳酸菌の摂取は労働生産性の改善に寄与する可能性が高いと指摘する。「今回の試験では、プレゼンティーズムが約5%向上することが認められた。これを日本人平均年収432万円から金額換算すると、年間約22万円分の生産性が向上する可能性もあり、費用対効果的にも十分メリットのある手法と考えられる」と、健康関連コストに与えるインパクトについても言及してくれた。

キリンホールディングス=https://www.kirinholdings.co.jp/
ヤフー=https://about.yahoo.co.jp/


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