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サントリーHD、今年の国内酒類事業の事業方針を発表、ビールは国内市場が減少する中で中核ブランドの価値提案などで微増を、スピリッツは主要ブランドのさらなる育成と強化を

2020.01.10 19:05 更新

 サントリーホールディングスは、今年の国内酒類事業の方針について1月9日に発表した。サントリービールは、高品質なものづくりと最高のおいしさを追求し、ビール類の新たな価値創出などで前年比101%を目指す。スピリッツは、商品開発から飲用時まで品質にこだわった活動に取り組むと共に、新たな価値を提供する新商品を発売するなど積極的なマーケティング活動を展開する。ワインは、国産カジュアルワインのさらなる拡大などを通じて、ワインがある豊かな生活を提案していき、販売数量対前年比102%を目指す。

 「国内ビール市場は前年割れとなるなど苦戦が続く中、当社では主要ブランドが堅調だったことで前年比102%を記録。特にプレミアムモルツの神泡コミュニケーションが奏功した」と、国内酒類の最大構成比を占めるビール類が市場と反比例する形で、前年比プラスで着地できたと、サントリーBWSの鳥井信宏社長は語る。「この20年間で酒類市場は大きく変化。当時はビール類が7割の構成比を占めていたが、その比率は下がり、逆に低アルコール飲料などのRTDが2%から14%にまでアップ。ビール類の動向だけでは、酒類市場全体を捉えられなくなってきた」と、消費者の嗜好の変化や社会情勢などで、酒類市場も大きく様変わりしたと指摘する。「当社は、市場の目まぐるしい変化の中で、一貫してお酒の新しい飲み方を提案してきた」と、飲み方提案によって市場を活性化してきたと訴える。「これからも、ビールやスピリッツ、ウイスキー、ワインの新しい飲み方を提案し、今年は対前年比102%の売上を目指す」と、微増ながらも確実に売上をアップさせたい考えを示した。

 ビール類の事業方針について、サントリービールの西田英一郎社長が発表した。「昨年は国内市場が対前年比98%と落ち込む中、当社はビールが101%、新ジャンルが111%、ノンアルコールが107%と堅調に推移した」と、国内市場が苦戦する中、同社の商品は市場に受け入れられたと胸を張る。「要因としては、酒税改正を見据えた主力ブランドの強化・体制構築に成功したことが挙げられる」と、ビールでは新規ユーザーの獲得、新ジャンルではラインアップの拡充、ノンアルコールでは健康志向への提案が奏功したのだと分析する。「そして今年は、新ジャンル『金麦ブランド』のNo.1を盤石にすると共に、ビールは“神泡プレミアムモルツ”の提案でシェア拡大を目指す。ノンアルコールについては『オールフリー』ブランドのNo.1奪取を目指していく」と、各分野でシェア拡大を図っていきたいとのこと。「今年の販売計画では、ビール、新ジャンルが対前年比101%、ノンアルコールが102%を目指す」と、微増ながらも着実に販売を増加させたいと述べた。

 「各分野ごとに見ていくと、『金麦ブランド』は昨年、過去最高の販売数量を達成。今年も『金麦ブランド』全体で商品価値を強化。麦のうまみを進化させる」と、旨味麦芽に加えて国産麦芽を一部ブレンドした贅沢麦芽の使用や、金麦の作り手自身が麦芽づくりに関わったり、三段階うまみ抽出製法を採用するなど中味を進化させるという。「また、季節ごとに少しだけ味をととのえる」と、いつでも美味しく飲んでもらうため、飲用時の価値向上も目指す。「『ザ・プレミアム・モルツ』は、神泡マーケティングを業務用と家庭用で連動展開してきた。今年は、“神泡プレモル”のおいしさをより実感してもらうバリューアップを実施する」と、2020東京オリンピック・パラリンピックというハレ需要や減税効果を活かし新規ユーザーの獲得を目指すとのこと。「2月には、『ザ・プレミアム・モルツ』『ザ・プレミアム・モルツ<香る>エール』を同時にリニューアルする」と、美味しさや泡品質をアップさせる他、質感のあるデザインに刷新する考えを示した。

 「ノンアルコールビールは、国内市場の伸張のみならず、欧米の先進国においても市場が急拡大していることから、さらなる拡大が見込まれる」と、まだまだ市場が拡大する余地が残っているとのこと。「特に、ビールの代替、健康を気遣える、リフレッシュに良いという3つの顧客ニーズで複層的に成長してきた」と、3つの主となる顧客ニーズをベースに成長してきた市場なのだと指摘する。「ノンアルコールビール『オールフリー』では、本体とからだを想うの2本柱でブランドの価値領域を拡大・強化していく」と、本体のリバイタライズに加え、内臓脂肪を減らす「からだを想うオールフリー」の健康機能を訴求していくのだと訴える。「3月に行う本体リバイタライズでは、“ビールよりもリフレッシュできる。究極の爽快解放飲料へ”をコンセプトにパッケージと中味をブラッシュアップする」と、本体リバイタライズの内容についても言及した。

 「また、東京クラフトをリニューアルする。個性を持ちながらも都会的で洗練された味わいに刷新する」と、ビール4社で唯一東京に工場を持つ同社だからこそできる強みを最大限に発揮した商品を提案するという。「さらに、アイスドライ<生>を拡大するとともに、オールフリー樽詰を本格展開する」と、新需要創造を積極的に行うことで、「ザ・プレミアム・モルツ」は3年連続の成長、「金麦」ブランドと「オールフリー」は最高売上の更新を目指す考え。

 サントリースピリッツの神田秀樹社長は、ウイスキー、RTD、レモンサワーについて今年の事業方針を発表した。「昨年は、ウイスキーが金額ベースで前年比105%、RTDが販売数量で前年比117%、レモンサワーが販売数量で前年比150%で推移した」と、ウイスキー、RTD、レモンサワーとすべてプラスで着地したと目を細める。「この背景には、当社製品の中味を支えるものづくり技術が評価されたと自負している」と、美味しい酒づくりが消費者からの支持を集めたのだと分析していた。「今年は、長期にわたって培ってきた酒づくりの技術を活用し、継続的な新需要創造に取り組む」と、昨年の方針を踏襲しながらも新たな需要を掘り起こしていくと訴える。

 「ウイスキーは、それぞれのブランドで高品質なハイボールを提案し、ウイスキー市場のさらなる拡大を図る」と、ハイボールによる継続的な市場牽引を図っていくとのこと。「ハイボール缶はさらなる拡大に向けて全製品の中味とデザインをリニューアルする。『ティーチャーズ』はメッセンジャーに俳優の大泉洋さんを起用し、ブランド初となるTV-CMを投入する。『メーカーズマーク』は父の日にTV-CMを投入。『碧 Ao』は限定販売数量を増やし、販売回数も年4回にする」と、それぞれのブランドで独自のユーザーアプローチを試みる考えを示した。

 「RTDについては、各ブランドの独自価値に基づき、継続的な新価値提案を実施する」とのこと。「3月17日には『こだわり酒場のレモンサワー』<キリッと男前>を発売する」と、レモンの味わいとAlc度数9%のクセのないお酒の旨みを感じられるキリッとした中味の新商品を投入するという。「『こだわり酒場のレモンサワー』については、製品ラインアップを拡充し、さらなるレモンサワー市場の活性化を図る」と、瓶、業務用とRTD缶でレモンサワー市場を盛り上げていきたいとアピールした。「そして、今年は売上金額対前年比104%を目指す」と、市場の追い風に乗って、さらなる売上増を目指すと意気込んだ。

 サントリーワインインターナショナルの宮下敏社長がワインの事業方針について発表した。「昨年の国内ワイン市場は、数量ベースで前年比99%と2年連続で前年を下回った」と、市場全体は苦戦が続いているという。「しかし、当社は販売数量で対前年比102%を達成した」と、欧州産ワインの強化や国産カジュアルワインの基盤ブランドの強化、需要創造が奏功しプラスだったと分析する。

 「今年は、国産カジュアルワインのさらなる拡大に加え、輸入戦略ブランドのポートフォリオを強化。ワイン飲用接点の創出に向けた需要創造の他、日本ワインの質・量の向上に向けた取り組みを行うことで、販売数量で対前年比102%を目指す」と、ワインの魅力を幅広く伝えることで、対前年比プラスを見込んでいると話していた。

サントリー=https://www.suntory.co.jp/

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