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ライオン、新型コロナウイルス感染症に対応した働き方などの変化が「睡眠の質」に及ぼす影響を調査、流行前に比べて「睡眠の質」が変化していることが明らかに

2020.09.02 18:02 更新

 ライオンは、新型コロナウイルス感染症予防に伴う働き方の変化が、「睡眠の質」に及ぼす影響について、就業者を対象にアンケート調査を実施した。その結果、新型コロナウイルスの流行前に比べて「睡眠の質」が変化しており、特に、(1)リモートワークをしている(2)新型コロナウイルスに対して不安を感じている(3)仕事量が変化している--の3つの場合で「睡眠の質」が低くなると回答する人が増える傾向にあった。

 調査研究の結果の一部について、第27回日本時間生物学会学術大会(9月26日~27日オンライン開催)で発表する。

 同社は、QOL向上の観点から「睡眠の質」について研究を進めており、その成果の一つとして「清酒酵母 GSP6(古くから清酒醸造に用いられている「清酒酵母」のなかで、同社の睡眠研究において睡眠の質の向上に役立つことを見出した菌株を「清酒酵母 GSP6」と命名)」の摂取が睡眠中の脳波におけるデルタ波パワー値(眠りの第1周期に含まれるデルタ波の大きさを定量化したもの)を増加させ、起床時の眠気を改善し、「睡眠の質」が向上することを明らかにしている。現在は、就業者における「睡眠の質」が日中の業務効率に及ぼす影響などの研究を行っている。

 昨今、新型コロナウイルスの感染が長期化する中で、健やかな睡眠をとることは、休養に必須であるだけでなく、免疫機能の増強にも関連している(厚生労働省e-ヘルスネット 健やかな眠りの意義)とされ、関心が高まっている。

 そこで今回、就業者の睡眠に関する研究の一環として、新型コロナウイルス感染症対策がもたらした働き方や意識の変化、心身への影響について、新型コロナウイルス流行前(1月頃)と6月とを比較したアンケート調査を実施した。

 新型コロナウイルス感染症の流行前後での「睡眠」の変化について尋ねた結果、「眠りの深さ」で「浅くなった」と回答した人の割合が「深くなった」と回答した人の割合より多く、「寝起きの熟眠感」で「悪くなった」と回答した人の割合が「良くなった」と回答した人の割合に比べて多い結果となった。眠りの浅さや熟眠感の悪さは「睡眠の質」と深く関連するため、新型コロナウイルス感染症の流行に伴って、一部の方で睡眠の質が低下していることが示唆された。

 次に、働き方などの変化として、(1)リモートワーク実施の有無、(2)新型コロナウイルスへの不安、(3)仕事量の変化が、「睡眠の質(眠りの深さ、寝起きの熟眠感)」にもたらす影響を調べた。

 リモートワークの実施者(全体の約3割)と実施していない人の睡眠の質を比較した。「リモートワークあり」では、「眠りの深さ」「寝起きの熟眠感」ともに、「リモートワークなし」に比べて睡眠の質が改善した人・悪化した人ともに割合が多く、睡眠への影響が大きい結果となった。しかし、その傾向としては悪化した人の割合のほうが大きく、睡眠の質は低下する傾向と考えられる。

 新型コロナウイルスに対して「不安あり」と回答した人(全体の約7割)と「不安なし」と回答した人の睡眠の質を比較した。「不安あり」では、「眠りの深さ」「寝起きの熟眠感」ともに、「不安なし」に比べて睡眠の質が低下する傾向が見られた。

 新型コロナウイルス流行前後で、仕事量が減った人(全体の約4割)、変化がなかった人(全体の約5割)、増えた人(全体の約1割)に層別し、睡眠の質を比較しました。仕事量が変化した人は量の増減にかかわらず、「眠りの深さ」「寝起きの熟眠感」ともに、「仕事量に変化なし」の人に比べて睡眠の質が低下する傾向が見られた。

 新型コロナウイルス感染症対策として緊急事態宣言が発令され、外出自粛などによって、就業者は、急遽リモートワーク等の新しい働き方への対応を迫られることが増えた。今回の働き方などの変化が「睡眠」にあたえる影響について、就業者を対象としたWEB調査を行った。その結果、働き方などが変化したと回答している場合に、眠りが浅くなり、寝起きの熟眠感が悪化する傾向が見られた。特に「リモートワーク実施」「新型コロナウイルスへの不安」「仕事量の変化」があった場合にその傾向が現れた。つまり、就業者にとって一日の大半を占める働き方などの変化が、気持ちのあり方や生活のリズムにも影響をおよぼし、「睡眠の質」を低下させていると考える。

 今回の調査は生活者自身の「主観」を尋ねたアンケートの結果だが、脳波計での測定などの「客観」測定では、中途覚醒時間が「主観」評価に比べて長くなるなど、「客観」と「主観」に乖離が生じる場合があることが報告されている(Svetnik, et al. J Sleep Res. 2017)。同社では睡眠の実態を客観的に「見える化」し、個人が自分自身の状態を正しく把握した上で適切な対応をすることが、今後の健康づくりにおいて重要であると考えているという。

 同社は、同調査の結果を踏まえ、ウィズ/アフターコロナで様変わりする就業者の健康を維持するため、「睡眠の質」を管理する必要性を改めて確認できたと考えている。睡眠を全身の健康にかかわる重要な生活基盤と捉え、引き続き、良質な睡眠習慣の普及に向けた研究を続けていくとしている。今回得られた調査研究の結果の一部については、9月26日~27日オンライン開催の「第27回日本時間生物学会学術大会」で発表する。

[調査概要]
実査期間:6月19日(金)~26日(金)
年齢:20~69歳(男性79.1%、女性20.9%)
対象者:2671名(すべて就業者)
方法:WEB調査

ライオン=https://www.lion.co.jp/ja/


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