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矢野経済研究所、国内のゴルフ用品市場調査、2020年の市場規模は前年比87.3%と予測

2020.09.04 17:02 更新

 矢野経済研究所は、国内のゴルフ用品市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、新型コロナウイルスの影響を加味した将来展望を明らかにした。その結果、2020年の国内ゴルフ用品市場規模は前年比87.3%と予測した。新型コロナウイルス感染拡大の影響による不確定要素が多いものの、前年比10%を越えるマイナスを予測する。

 2019年のゴルフ用品国内市場規模は、メーカー売上高ベースで前年比101.0%の2653億3000万円となった。2017年、2018年に続き、3年連続でのプラス成長を果たす結果となったが、その成長率は微増レベルが続いている。ゴルフ用品の品目別動向を以下に列挙する。

 品目別にみると、特に数量ベースで前年比110.9%の752万本と二桁増となったゴルフクラブが、2018年に続いて市場成長のけん引役を果たした。ゴルフクラブでは「ハイブリッド」および「アイアン」が大幅に伸長しており、アイアンは数量ベースで前年比117.6%の435万本、金額ベースで同107.9%の435億円と大幅なプラス成長を果たした。「パター」は単価上昇が続いている。これは総需要が伸び悩む中、各メーカーとも高付加価値品の発売によって販売価格を上げていること、小売市場におけるマークダウン品(特価処分品)の販売構成比が減少していることが要因であるが、一方で「廉価帯商品」の不足を指摘する声も小売店からは出始めている。

 ソフトグッズ類(シューズ、キャディバッグ、グローブ)およびラウンドボール市場は微減にて推移している。キャディバッグは、健全化(需給バランスの均衡)が進んでいるものの規模縮小に歯止めがかからない状況が続いている。

 ゴルフクラブに次いで規模の大きいゴルフウエアは前年比99.1%の909億円と前年に引き続き微減となった。これは既存ゴルファーの買い替え、買い増しを促す新規アイテムが長年提案されていない環境が続いていることに加え、我が国の気候変化によってクリアランス(バーゲン)時期の売上構成比が高まっていることも規模縮小の一因と考えられる。

 その他ゴルフ用品は、メーカー・ブランド間の優勝劣敗はより鮮明になっているものの、引き続き高い成長を果たした。当該市場で最大規模の「携帯型飛距離測定器」が2019年のルール改正の追い風も受けて引き続き高成長を記録した。

 同調査とは別に、コロナ禍におけるゴルフのプレー頻度(ゴルフ場、ゴルフ練習場)や非常事態宣言解除後のプレー再開状況について、インターネット消費者アンケート調査を実施した。その結果、ゴルフを自粛していたゴルファーがどのタイミングでゴルフを再開するのか、また、新たな生活様式によるプレー環境の変化を背景として、ゴルフを新たに始めたあるいは再開したゴルファーが一定数存在することが、明らかになった。

 収束の見えない新型コロナウイルス感染拡大によって、ゴルフからリタイアするゴルファーが存在する一方で、コロナ禍をきっかけにゴルフを始めた(再開した)ゴルファーを離脱させることなく、継続的にプレーさせるための戦略実行がゴルフ業界全体に求められる。

 2020年のゴルフ用品国内市場規模は、メーカー売上高ベースで前年比87.3%の2315億8000万円と予測する。いうまでもなくこの予測は、2020年8月現在での新型コロナウイルスの影響を加味したものである。

 新型コロナウイルスの影響は刻一刻と変化している。本調査とは別に実施している国内約1100店舗のゴルフショップの用品実売動向を集計・分析した「YPSゴルフデータ」の週報データを見ると新型コロナウイルス関連のニュースにマーケットは敏感に反応していることがわかる。

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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