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富士経済、外食主要業態の国内市場の調査、ホームデリバリーの2020年市場は2019年比6.1%増の2219億円

2020.08.03 12:36 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を多大に受けている外食主要業態の国内市場を調査した。その結果を「外食市場における新型コロナウイルスの影響実態と出口戦略を見据えた市場展望」にまとめた。トピックスとして、2020年の伸長率と市場見込では、休校中の子どもを持つファミリー層の需要や、家庭内でハレの日を祝うパーティー需要を獲得したホームデリバリーが2019年比6.1%増の2219億円に達すると予測する。また、テイクアウトが大きく伸びる。安全性の担保によってドライブスルーの利用が増加したハンバーガー(ファストフード)が2019年比3.6%増の7311億円と予測する。

 この調査では、ファストフード、ファミリーレストラン、料飲店、喫茶、テイクアウト、ホームデリバリーについて、緊急事態宣言が発出された4月から6月までの期間の影響を網羅的に把握し、各市場の現状を整理し、今後の動向を捉えた。

 4月に発出された緊急事態宣言を受けて、テレワーク導入の進展や外出自粛などにより人の移動が制限されたため、外食市場は深刻な影響を受けており、その影響は広範囲に及んでいる。営業時間の短縮や休業により、売上高の減少に加え、固定費が重い負担となるなど、事業存続自体に苦慮している事業者も多い。そうした状況を少しでもカバーしようとテイクアウトやデリバリーなどを強化しているものの、改善には時間を要するとみられる。

 ホームデリバリーは、宅配ピザ、宅配ずし、宅配中華料理、宅配釜めしを対象とする。市場は年率3%前後の拡大を続けてきた。2020年は外出自粛要請以降に各業態とも大きく伸びており、2019年比6.1%増が見込まれる。

 宅配ピザや宅配ずしの参入チェーンは、自社でデリバリー受注サイトを運営しているためスムーズな受注ができたことや、休校中の子どもを持つファミリー層の需要や入学や卒業などの慶事を外食店ではなく家庭で祝う”ハレの日”需要を取り込んだことが、大幅な伸びにつながっている。特に、宅配ピザは出来立ての温かいピザをデリバリーする競合業態がないため独り勝ちとなり、4月から6月の売上は2019年同期比15.1%増と大きく伸びた。宅配ずしは、回転ずしのテイクアウト強化や量販店デリカのすしメニューなどとの競合があったものの、4月から6月の売上は2019年比同期比7.5%増となった。

 一方、様々なメニューを提供するファミリーレストランをはじめ、各業態でデリバリーの強化を打ち出し、自社サイトでデリバリーの受注環境を整備するチェーンが増えているため、今後は他業態との競合が激化するとみられる。

 ハンバーガー(ファストフード)は、2020年の市場は、イートインは落ち込むものの、ランチなどの持ち帰り需要を獲得し、テイクアウトが大きく伸びていることによって、2019年比3.6%増が見込まれる。

 4月から6月の売上は、大手チェーンがGW期間中にイートインを休止したにも関わらず、テイクアウトが定着ていたことで、2019年同期比増となった。テイクアウトは新型コロナウイルス感染症の感染拡大という逆行の中で、安全性が担保されたドライブスルーサービスが特に受け入れられ急伸した。テイクアウトと同様に人との接触が回避できるデリバリーも大きく伸びている。

 定食チェーン(ファストフード)は、イートインの構成比が極めて大きい。ファストフードの中でもテイクアウトの対応は遅く、主要チェーンもコロナ禍を契機に提供が始まっている。大手チェーンが4月から6月にかけて、積極的にテイクアウトメニューの拡充・展開を図った。しかし、テイクアウトの定着には時間を要するとみられ、テレワークの増加などによって落ち込んだイートインの減少をカバーするには至らず、2020年の市場は2019年比6.7%減が見込まれる。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]5月~6月
[小売価格]
PDF版:30万円
ネットワークパッケージ版:45万円
(すべて税別)

富士経済=http://www.fuji-keizai.co.jp/


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