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矢野経済研究所、2020年度の国内食品通販市場調査、2019年度は前年度比3.2%増の3兆8086億円の見込

2020.08.28 16:31 更新

 矢野経済研究所は、2020年度の国内食品通販市場を調査し、市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、2019年度の食品通販市場は前年度比3.2%増の3兆8086億円の見込みとなった。自然災害の影響で備蓄意識が高まり、飲料水や保存性の高い食品需要が顕在化した。

 2019年度の国内食品通販市場規模は、小売金額ベースで前年度比3.2%増の3兆8086億円の見込みである。食品通販市場は、飲料水や米、酒類、健康食品など常備性・習慣性が高い、あるいは商品重量があるカテゴリにおいて、潜在的ニーズが高い傾向にある。

 2019年度は、冷夏の影響で飲料水の需要が前年に比べて落ち込んだことや、消費税増税に伴う支出抑制傾向など、食品通販市場にとっても厳しい市場環境であった。一方で、自然災害の多発によって、備蓄意識が高まり、飲料水や保存性の高い食品の需要が顕在化し、通販でまとめ買いするニーズが顕在化した。

 また、年度末から新型コロナウイルス感染拡大の影響から、スーパー店頭での密集を避けるために通販で食品をまとめ買いするといった購買行動が広がった。ただ、コロナ禍においては緊急事態宣言が発令された4月以降に影響が拡大したことから、2019年度の食品通販市場は前年度並みの伸長率を見込む。

 2020年1月下旬から一部で新型コロナウイルス感染拡大懸念が広まったものの、食品通販の需要に影響が出始めたのは、学校の休校が発表された2月末以降である。学校の休校やリモートワークの導入、不要不急の外出自粛などによって在宅率は上昇し、食料品の買いだめ需要が広がった。特に、スーパー店頭での密集を避けるために、自宅まで配送してもらえる食品通販は需要が急増し、一部では商品欠品や出荷能力の限界から、受注を制限するほどであった。

 日常使いの食料品に対する需要増加だけではなく、お取り寄せグルメ・スイーツに対する需要も増加した。外食や旅行に行けないため、“食”は自宅でできる唯一の楽しみとなり、高価格帯のハンバーグやソーセージなどを食品通販で取り寄せて、自宅で普段に比べて高級な食事を楽しむという需要も取り込んだ。特に、例年5月はゴールデンウィークで在宅率が低下するため、食品通販の需要は減退するが、2020年は緊急事態宣言下で在宅率が高かったことも、食品通販の需要を押し上げたものとみられる。

 6月以降、緊急事態宣言の解除に伴い、緊急事態宣言下の特需は緩和したものの、感染者数が増加傾向に転じ、第2波、第3波が懸念される中で、食品通販に対する需要は引き続き高いとみられる。コロナ禍をきっかけに、食品通販サービスを使用した人が、利便性の高さや提供される商品・サービスの品質の高さを実感して、一部定着する可能性もある。

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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