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富士経済、メイクアップ・ボディケアの国内市場調査、2020年のメイクアップ市場は5374億円の見込

2020.07.06 14:35 更新

 富士経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による百貨店の休業や外出機会の減少などで大幅な需要減少がみられるメイクアップとボディケアの国内市場を調査した。その結果を「化粧品マーケティング要覧 2020 No.3」にまとめた。その結果、2020年市場見込(2019年比)では、外出機会の減少に加え、タッチアップの自粛やテスターの撤去で需要喚起に苦戦したメイクアップは5374億円(11.8%減)と予測する。マスク着用によりリップメイクをしない消費者が増加し大幅減のリップカラーは890億円(16.8%減)と予測。ちょっとした外出時にも使用されることから需要は底堅く縮小も小幅なアイブロウは253億円(4.2%減)の見通しだ。

 SNSや動画サイトを通じたメイクアップ方法の習得が定番化する中で、2019年は消費者の嗜好の多様化やTPOに応じた使い分けにより使用アイテム数が増加し、ベースメイク、ポイントメイクともに市場は拡大した。

 ベースメイクではパール剤やカラーコントロールによるトーンアップや艶感のある仕上がりがトレンドの主流になる一方で、マットやセミマットな質感などを訴求したアイテムも需要を獲得した。ポイントメイクでは、口元よりも目元を重視するトレンドにより、アイシャドウのほか、カラーアイライナーやカラーマスカラといった目元の印象を変化させるアイテムが好調だった。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の影響による、外出機会の減少やマスク着用者の増加などでメイクアップそのものの需要が減っていることに加え、入国制限によりインバウンド需要が大幅に減少するとみられる。また、店舗の休業に加え、カウンセリングチャネルではメイクカウンターでのビューティアドバイザーによるタッチアップの自粛、セルフチャネルではテスターの撤去などが行われ需要喚起に苦戦している。

 マスク着用者が増加したことでマスクから露出する目元のメイクに力を入れる消費者が増加している。また、リップカラーはマスクへ付着しにくく落ちにくい商品がニーズを獲得し、ベースメイクはマスクの着用による肌荒れから敏感肌向け商品が人気になるなど、消費者の選択基準にも変化がみられる。

 ボディケアでは、2019年は機能訴求のボディシャンプーや、手のエイジングケア効果を訴求したハンドクリームが好調だった。しかし、夏季・冬季ともに天候が不順で、季節商材であるサンタン・サンスクリーンやボディクリーム・ローションが低調となり、市場は微増にとどまった。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の影響によりライフスタイル提案型ブランドの直営店舗や百貨店が休業し、イベント開催や店頭での新規顧客の取り込みが難しくなっているほか、外出機会の減少によってこれまでけん引してきたサンタン・サンスクリーンを中心に使用機会が減っており、市場は縮小するとみられる。

 リップカラーでは、トレンドが口元を重視したメイクへ変化したことで、縮小が続いていた市場は2014年に拡大した。以降、SNSでのプロモーション強化による若年層の需要取込み、韓国で流行した“ティント”タイプの投入や重ね塗りすることで質感を変化させるグロスタイプの好調などにより一人当たりの所持本数が増加し、2018年には二桁近く伸長し1,000億円を突破した。

 2019年はトレンドが口元よりも目元を重視したメイクに変化したことで伸びが鈍化し、市場は2018年比2.8%増となった。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、マスク着用からリップメイクをしない消費者が増加したことや、タッチアップの自粛やテスターの撤去などにより色味を確認できる機会が減っていることから需要喚起が難しくなっており、市場は大幅に縮小するとみられる。

 アイブロウでは、リップカラーで注目された“ティント”タイプの商品が2016年にアイブロウでも投入され、眉の地肌に色素が一定期間残るためメイクの手間が省けることからヒットした。翌年には新商品が積極的に投入されたことで市場は急拡大した。

 2019年は“ティント”タイプのブームに落ち着きがみられ伸びが緩やかとなった。一方で、目元を重視したメイクにトレンドがシフトしていることから、眉毛に色味をつけ華やかな印象に仕上げる眉マスカラの需要が増加した。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の影響による外出機会の減少からメイクアップの需要が減っているが、アイブロウは日用品の買い出しなどちょっとした外出時にも使用されることから需要が底堅く、市場の縮小は限定的とみられる。

 サンタン・サンスクリーンでは、本格的な需要の取り込みが始まるゴールデンウィークや、最需要期である夏季の日照時間や天候に左右されるが、紫外線対策への意識の高まりによって通年で使用する消費者が増加していることや需要の細分化により市場は拡大している。

 2016年、2017年と天候不順により国内需要は低調であったが、インバウンド需要を取り込み、2018年はトーンアップ効果を訴求した商品がヒットしたことで、市場は拡大した。2019年はトーンアップ効果を訴求した商品が引き続き好調だったものの、インバウンド需要の減少や、長雨や台風など天候の不順により需要が低迷し、市場は縮小した。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の影響によるインバウンド需要の減少に加え、外出機会の減少などによりサンスクリーンの使用機会が減っており、市場は二年連続で縮小するとみられる。UVケア効果を有する化粧下地やファンデーションとの競合もあるため、今後の市場拡大にはスキンケア成分を配合した商品や紫外線だけでなく大気中の微粒子からも肌を守る商品など、UVケアだけではない機能を付与した商品の提案が重要とみられる。

 ボディシャンプーでは、トイレタリーメーカーによるパーソナル訴求商品の投入、新興系メーカーの参入、機能性を重視した商品の投入により市場は好調である。

 2019年はデリケートゾーンケアや年齢に伴う身体のにおいケアといったパーソナル訴求商品が好調だったほか、なで洗いによる汚れの除去を訴求した機能性の高い商品の投入により単価の上昇がみられ、市場は引き続き拡大した。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の影響によりライフスタイル提案型ブランドの直営店舗の営業自粛により市場は縮小するとみられる。しかし、デイリーユースであることからボディシャンプーの需要は底堅く、2019年比2.1%減と縮小は小幅にとどまるとみられる。現在、機能性の高い商品が人気だが、景況感の悪化による価格訴求への移行による単価の低下が懸念される。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]3月~5月
[小売価格]
書籍版:11万円
PDF+データ版:12万円
書籍/PDF+データ版セット:14万円
ネットワークパッケージ版:22万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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