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矢野経済研究所、国内の健康・機能性食品素材(原料)市場の調査、2019年度の市場規模は前年度比103.8%と好調に推移

2020.07.22 11:23 更新

 矢野経済研究所は、国内の健康・機能性食品素材(原料)市場を調査し、各素材別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、2019年度の健康・機能性食品素材(24素材)の市場規模は、前年度比103.8%と好調に推移。中高年齢層のQOLを維持・向上させる素材の伸長と、一般食品への採用増が市場規模を押し上げた。

 2019年度の健康・機能性食品素材(同調査対象24素材[原料]の合計)市場規模は、流通金額ベースで前年度比3.8%増の913億8600万円となった。また、「エクオール」と「大麦若葉」を加えた26素材の2019年度流通量合計は15472.7トン(前年度比1.6%増)であり、流通量、金額ともに伸長した。

 これは、健康・機能性食品素材の主力用途である健康食品の市場が成長を続けていることに加え、消費者の健康志向を背景に、一般食品においても健康を付加価値とした製品の開発・展開が活発化しており、健康・機能性食品素材の需要拡大につながっている。また、加齢によるロコモティブシンドローム・サルコペニア対策や認知機能の衰え対策などの素材の流通量も増え、中高年齢層のQOL(Quality of Life)を維持・向上させる健康・機能性食品素材が好調に推移した。なお、2020年度の市場については、新型コロナウイルスの影響により厳しい状況になると予測する。

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、免疫の向上が期待できる健康・機能性食品素材が好調に推移している。特に、「プロポリス」は流行後すぐの1ヵ月で、通常の3~4ヵ月分を供給した企業もみられた。プロポリス以外でも、「ツバメの巣」「エキナケアエキス末」「オリザポリアミン」などの免疫向上や抗ウイルス機能が期待できる素材に対して、問合せや引き合いが増えてきている。

 一方で、コロナ禍において、需要が減少している素材もある。

 若者のアルコール離れに加え、外出先での飲酒機会の減少から、肝臓機能を高めることで知られる「ウコン」や「肝臓加水分解物」、肝臓機能回復用途での「プラセンタ」は販売量が減少する見込みである。

 また、生産面や仕入面での問題から、「ルテイン」や「グルコサミン」、「牛由来コラーゲンペプチド」などは供給が厳しい状況になるとみられる。

 ルテインは、原料となるマリーゴールドの産地の大部分が中国とインドで占められており、ロックダウン(都市封鎖)の影響によって、生産に影響が出るとみられる。来年以降、原料単価の上昇要因の一つとなる見込みである。

 グルコサミンは国内外のユーザー企業の食品工場の稼働率低下によって、一部で原料供給量を減少させる動きがある。牛由来コラーゲンペプチドは、世界経済の悪化によって、レザー産業が打撃を受けており、牛革使用量の減少は牛由来コラーゲンペプチド供給の不安定化につながる可能性がある。

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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