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矢野経済研究所、国内のコメビジネス・米飯市場(日配・加工米飯市場)の調査、パックご飯(無菌包装米飯)が台頭し2018年度は前年度比101.5%と堅調推移

2020.07.09 18:18 更新

 矢野経済研究所は、国内のコメビジネス・米飯市場(日配・加工米飯市場)を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、日本食ブームを追い風に、海外で日本米(短粒種)需要が拡大、国内の米飯市場はパックご飯(無菌包装米飯)が台頭し、2018年度は前年度比101.5%と堅調に推移した。

 無形文化遺産にもなった「和食」は、健康志向の高まりから世界的なブームとなっている。農林水産省の推計によると、世界各国の日本食レストランの数は2019年で約15万6000店となり、2年間で約1.3倍に拡大した。人気メニューのひとつである寿司を始め、日本食には水分が多く粘り気のある日本米(短粒種)が不可欠であり、品質の高さや食味のよさから日本米の需要が高まっている。財務省「貿易統計」によると、2018年の輸出相手国(仕向地)は、数量・金額ともに香港がトップとなり、シンガポールが2位となっている。これら上位2ヵ国が高いシェアを占めるものの、アメリカが3位に躍進するなど、新たな市場開拓が進んでいる。こうした輸出事業を含む、2018年度のコメの品種開発・生産・加工・流通・販売(輸出および現地生産)ビジネスは、前年度比119.8%の303億円となった。

 一方、日配米飯(おにぎり、持ち帰り弁当、給食弁当等)と加工米飯(冷凍米飯、レトルト米飯、無菌包装米飯等)を合算した国内の米飯市場は、一時期は景気低迷の影響を受け減少傾向にあったが、近年は、単身・共働き世帯の増加等に伴う調理の代替需要を取込み、堅調に推移している。2018年度の米飯市場規模(小売金額ベース)は、前年度比101.5%の2兆4848億円であった。

 パックご飯(無菌包装米飯)は、保存性・保管場所を選ばない利便性の高さから、家庭で日常的に消費するごはんの代わりとして、また内閣府が提唱するローリングストック(震災に備え、使用した分を買い足しながら一定量の食料を備蓄しておく方法)に適した商品として認知が広がっている。商品化においては「高品質・適量・健康」がトレンドとなっており、中でも玄米ご飯、発芽玄米等の機能米を加工した商品は、健康志向の高い女性を中心に支持を集めている。

 近年は、家庭用のみならず、人手不足の課題を抱える外食や給食産業等、業務用としての利用もみられる。メーカー各社は生産能力を高めるべく設備投資を活発化しているが、供給が追い付いついておらず、2018年度の無菌包装米飯市場(小売金額ベース)は、前年度比 106.0%の673億円に留まった。

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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