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富士経済、H・Bフーズの国内市場を調査、2020年の国内市場は2兆4274億円と予測、健康志向食品での活発な商品投入などで拡大は続く

2020.06.23 16:56 更新

 富士経済は、健康志向食品(明らか食品・ドリンク類)と機能志向食品(サプリメント)を対象としたH・Bフーズの国内市場を調査した。その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧 2020 -総括・関連市場分析編-」にまとめた。その結果、2020年市場予測(2018年比)では、機能志向食品は横ばいとなるも、健康志向食品は好調な商品が多く拡大続くH・Bフーズの国内市場は2兆4274億円(2.7%増)と予測する。機能志向食品、健康志向食品ともに堅調に伸びる生活習慣病予防は3838億円(12.9%増)と予測した。認知度向上により拡大が期待されるコンプリートフード(完全栄養食)は14億円(2.3倍)と予測した。なお、H・Bフーズ:健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトをもった商品とした。

 H・Bフーズの国内市場では、2018年は、健康志向食品では特定保健用食品の落ち込みや機能系ヨーグルトの苦戦が続き、また、機能志向食品では滋養・強壮やグリーンチャージなどの定番商品がマイナスとなった。しかし、健康志向食品ではスポーツやジム人気の高まりを背景にプロテインが大きく伸びたことや、夏場の猛暑により健康性と止渇性を兼ね備えたエナジードリンク、熱中症対策飲料、パウチゼリー飲料などが好調となったこと、また、機能志向食品では生活習慣病予防やマルチバランスが安定した需要に支えられて伸びたことやプロテインの好調が下支えしたことにより、市場は2017年比1.3%増と拡大した。

 2019年は、機能志向食品はダイエットがカロリー調整食品の急速な需要減少により大幅に縮小、また、グリーンチャージもインバウンド・国内需要がともに落ち込んでおり、苦戦するとみられる。一方、健康志向食品は特定保健用食品の縮小や機能性表示食品の一部で苦戦する商品がみられたものの、トマトジュースの続伸やノンアルコールビールの再活況、脂肪・記憶・睡眠訴求を中心とした活発な商品投入といった好材料が多く、また、エナジードリンクやプロテインの好調などにより伸びていることから、市場は2018年比1.6%増が見込まれる。

 2020年は、機能志向食品は横ばいとなるも、健康志向食品は好調を維持するとみられ、市場は2018年比2.7%増が予測される。

 生活習慣病予防(訴求効能別)では、日常的に健康管理を行おうとする意識の高まりにより、健康志向食品と機能志向食品の双方で需要が増加し、特に、茶系飲料やコーラ飲料など、特定保健用食品のドリンク類が伸長し、市場は拡大してきた。また、菓子をはじめとして、新機軸の商品が投入されたことが市場拡大の追い風となってきた。しかし、2017年頃からは機能性表示食品に需要がシフトしたことにより、特定保健用食品の上位ドリンク類であっても苦戦するケースがみられるようになった。

 2018年は、機能志向食品は中性脂肪値・コレステロール値改善、血糖値改善、高血圧予防の上位商品が好調だったことから伸長したが、健康志向食品は特定保健用食品の落ち込みにより大幅なマイナスとなったことで、市場は2017年比2.6%減となった。2019年は、機能志向食品は好調が続いており、健康志向食品は特定保健用食品の縮小が続いているものの、トマトジュースやビネガードリンクの続伸、ノンアルコールビールの活況などにより伸長し、市場は2018年比6.8%増が見込まれる。

 成分別では、難消化性デキストリンやDHA・EPAの占める割合が大きいが、2019年に機能性表示食品としてリニューアルされた茶系飲料ブランドで採用されている茶カテキンが大きく伸びるとみられる。

 スポーツサポートでは、プロテインやアミノ酸などを訴求し、スポーツシーンで喫食されるH・Bフーズを対象とする。スポーツ人口の増加や、女性のダイエットのトレンドが置き換えダイエットから運動での身体作りへとシフトしていることによって、市場は拡大を続けている。特に、プロテインがトップアスリートやヘビーユーザー層だけでなく、ライトユーザー層が増え、一般消費者にまで利用が広がったことから摂取人口は大幅に増えている。一方、アミノ酸はプロテインに需要を奪われるかたちで苦戦している。

 2018年は、プロテインパウダーが前年に引き続き大きく伸びたことに加え、猛暑を追い風としたパウチゼリー飲料の伸長などによって、市場は2017年比17.6%増となった。2019年は、パウチゼリー飲料が苦戦しているものの、プロテインパウダーやプロテイン飲料は好調なため、二桁の市場拡大が続くとみられる。

 コンプリートフード(完全栄養食)(関連市場)では、厚生労働省などによる特定の年代の推奨量/目安量/目標量を基準にビタミン・ミネラルなど、1日に必要な全般的な栄養素を配合、もしくは基準の3分の1以上の量を配合した加工食品を対象とする。完全栄養食は生きていくうえで必要な栄養素をすべて含んでおり、食事にかかる時間を大幅に短縮できる点や健康性への期待感、新奇性によって、ビジネスマンや研究職など時短ニーズが高い層の需要を獲得、また、健康意識の高い層の興味を引いており、欧米などでは存在感が高まっている。

 国内では2016年に発売されたパウダータイプの「COMP」(COMP)、2017年に発売された「BASE PASTA」(ベースフード)を中心に、市場は立ち上がった。当初は、完全栄養食の認知度は低く、購入者は健康や新しいものに対する感度が高い層に限られていたが、新奇性や話題性により徐々に認知を広げていった。2019年には、カップタイプの「All-in PASTA」(日清食品)が発売され、一時品薄となるなど話題になったことで一般消費者の認知度も大幅に高まり、メディアでの完全栄養食の露出も増加したことによって、今後の市場拡大が期待される。

 キッズサプリメント(関連市場)では、乳幼児・小児向けで栄養成分を強化したH・Bフーズを対象とする(虫歯予防などのオーラルケア商品も含む)。訴求効能として、骨・関節・筋肉サポートやスポーツサポート、オーラルケアなどがあげられる。食事だけでは補うことが難しいカルシウムなどの補完を目的とした粉末飲料が、長らく市場の中心であった。一方、サプリメントの需要は、食事による栄養摂取が望ましいという考え方が強かったため限定的であったが、偏食やアレルギーなどの対応策として現在はサプリメントの需要が増えている。また、虫歯予防を目的としたオーラルケア商品や、スポーツサポートのパウチゼリー飲料や粉末のプロテインの需要が高まっている。

 2019年の市場は、スポーツサポートやオーラルケアの商品は好調であるが、カルシウム補完を目的とした粉末飲料は競合の激化や参入メーカーの注力度低下により苦戦しているため、2018年比で横ばいにとどまるとみられる。しかし、スポーツサポート商品のさらなる需要増加や、たんぱく質の重要性を理解した親が子供に粉末プロテインを買い与えるケースも増えており、虫歯予防のタブレットの需要も年々高まっているため、今後の市場拡大が予想される。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2020年2月~3月
[小売価格]
書籍版:12万円
PDF+データ版:13万円
書籍/PDF+データ版セット:15万円
ネットワークパッケージ版:24万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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