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富士経済、メンズコスメ・ヘアケアヘアメイク市場の調査、2022年市場予測ではメンズフェイスケアが283億円・シャンプーが1622億円に

2020.06.04 18:15 更新

 富士経済は、ボタニカルやオーガニック訴求商品が好調なヘアケア・ヘアメイクと、フェイスケアアイテムの使用率上昇によって拡大が続くメンズコスメティックスの国内市場を調査した。その結果を「化粧品マーケティング要覧 2020 No.2」にまとめた。2022年市場予測(2019年比)では、使用率上昇によって整肌料がけん引。オールインワンなど簡便性の訴求により未使用者の開拓進むメンズフェイスケアが283億円(10.1%増)に達する見通しだ。スモールマスブランド・パーソナライズブランドの投入で単価上昇したシャンプーが1622億円(0.6%増)に達すると予測する。

 メンズフェイスケアは、効果的なスキンケアの方法が浸透することで、洗顔料に加え、化粧水や乳液など整肌料の使用率が上昇しており、市場は拡大している。

 2019年は、オールインワンやエイジングケア商品などバリエーションの広がりによる整肌料の好調、メンズメイクアップが注目を集めたことにより、市場は2018年比5.3%増の257億円となった。整肌料は簡便性を訴求するオールインワンなどで未使用者も開拓しており、ユーザーが増加することで今後も市場をけん引するとみられる。2022年の市場は2019年比10.1%増の283億円が予測される。

 洗顔料は洗顔の重要性や効果的な方法などを各メーカーが啓発しており、各年代で使用率が上昇している。2019年は、天候不順により使用頻度が低下し、市場は83億円と拡大したが、2018年比3.8%増と低い伸びにとどまった。

 整肌料は各年代でユーザーが増えており、意識が高い層では高価格帯の需要が高まっている。2019年は時短訴求のオールインワンや、UVケア、毛穴のカバー、30代をターゲットにしたエイジングケア訴求商品など、バリエーションが広がったことで需要の喚起が進み、市場は2018年比12.4%増の100億円となった。今後もさまざまな訴求の商品が投入されることで市場は活性化するとみられる。

 顔拭きシートの需要は夏場の天候に左右され、2019年は7月の気温が低く、日照率も低かったことから汗をかく機会が減少し、市場は2018年比5.4%減の70億円となった。

 その他については、メイクアップアイテムが中心である。2019年は3月に「ウーノ フェイスカラークリエイター」(資生堂)が発売され、TVCMが展開されたことでメンズメイクアップの認知度が高まり、一部の若年層にとどまっていた需要が、身だしなみや印象作りを目的としたビジネスマンへと広がり、市場は2018年比2.5倍の5億円となった。

 シャンプーは、2011年にノンシリコンシャンプーがヒットした。2015年にボタニカルシャンプーがバラエティショップや通販で人気となり、2016年にはドラッグストアでの展開も本格化した。市場の拡大は続いていたが、2017年はボタニカルシャンプーが好調だったものの、トイレタリー系ロングセラーブランドでアイテム整理や販売終了などがみられ、2018年まで2年連続で市場は縮小した。

 2019年はボタニカルに加えオーガニックシャンプーが人気となった。また、髪質や髪の悩みに応じて選択する消費者が増え、シャンプーに対する価格許容度も上がっていることから、化粧品系ではボトル本体1,000~1,500円の高価格帯がけん引している。トイレタリー系では手ごろな価格のボタニカルシャンプーや、髪のうねりやクセ毛など髪のゆがみケアを訴求する商品が好調だったものの、詰め替え用の大容量タイプへのシフトなどにより低迷した。なお、業務用はヘアカラーの施術件数の増加によりシャンプーの使用が増え、伸びた。

 シャンプーは家庭での使用率が一定に達していることから、数量ベースでの大きな伸びは期待できない。しかし、多様化する消費者のニーズにピンポイントで対応したトイレタリー系メーカーによる“スモールマスブランド”の展開、自分の髪質により合う“パーソナライズブランド”の投入による商品単価の上昇もあり、市場の拡大が予想される。

 女性用スカルプケアは、加齢による髪のハリ・コシの低下や抜け毛をケアに対する意識が高まり、市場の拡大が続いている。2019年は、産後の抜け毛対策など30~40代をターゲットとした商品が好調なほか、新聞広告やTV-CMなどのプロモーションによって女性用スカルプケアに対する認知度が高まり、市場は2018年比1.0%増の194億円となった。

 スキンケア・ヘアケアの延長としてスカルプケアの重要性が女性誌などで取り上げられたことや、インバスヘアケアブランドのスカルプケア訴求商品の発売などによって、“美髪のための頭皮ケア”という観点から若年層の需要獲得や裾野の広がりが期待される。

 メンズコスメティックス市場は、身だしなみやにおいケアを意識するビジネスマンが増えたことで化粧品のパーソナルユース化が進み、高付加価値商品が好調なことから市場が拡大している。2019年は最需要期の夏季の天候に恵まれず、顔拭きシート、においケアや清涼感を訴求したボディケア商品などの需要が減少した。しかし、フェイスケアがオールインワンやエイジングケア商品により需要を獲得し、メイクアップが注目を集めたことでメンズコスメティックス全体の関心も高まり、市場は2018年比1.6%増の1,199億円となった。

 各メーカーが積極的に新商品を投入し、新しい訴求によって需要の開拓を行っているものの、実店舗においてはメンズコスメティックスの棚の拡大はみられず、競合が激化している。今後は、フェイスケアが需要の高まりもあり安定した伸びを続け市場拡大をけん引するとみられる。一方でシャンプー・リンスやボディケアは、においケア以外の訴求による需要獲得が必要とみられるほか、スタイリング剤やスカルプケア、シェービング料は縮小が続くとみられる。

 ヘアケア・ヘアメイク市場は、2011年にはノンシリコン、2016年にはボタニカルを訴求するインバスヘアケアブランドが人気となった。2019年は、家庭用はボタニカルに加えオーガニックをコンセプトとした商品が人気だったが、トイレタリーブランドで価格訴求が強まり苦戦した。しかし、業務用がサロンなどで若年層を中心に黒髪用ヘアカラーの施術件数の増加や、これに伴うダメージをケアするメニュートリートメントの好調、サロンのSNSなどでの情報発信による業務用ブランドの認知度の高まりで伸びたことから、市場は拡大した。

 家庭用のインバスヘアケアにおいては、シャンプーなどデイリーケアが一定の使用率に達しているため、へアマスクやパックなどスペシャルケアの需要喚起によりステップ数を増やすことが今後の市場拡大には必要とみられる。アウトバスヘアケアではヘアスタイリング剤からスタイリング機能を付加したトリートメントへの需要シフトが続いており、今後もトリートメントをベースにスタイリングやフレグランスなどの機能を付加した商品の投入が増えるとみられる。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]1月~3月
[小売価格]
書籍版:11万円
PDF+データ版:12万円
書籍/PDF+データ版セット:14万円
ネットワークパッケージ版:22万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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