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富士経済、外食産業国内市場に関する調査、2020年市場見込はハンバーガーが7302億円・宅配ピザが1492億円に

2020.06.11 19:45 更新

 富士経済は、新型コロナウイルスの対応に追われる中、業態によっては新サービスの提案によって利用機会の増加がみられる国内の外食産業市場について調査し、その結果を「外食産業マーケティング便覧 2020 No.1」にまとめた。その結果、2020年市場見込(2019年比)では、新型コロナウイルスの影響が懸念されるものの、日常食としての需要は底堅く、市場は拡大するハンバーガーが、7302億円(3.4%増)に達する見通しだ。外食を控える消費者が増えたことで上位チェーンを中心に利用が増加し、伸長する宅配ピザは、1492億円(5.0%増)と予測する。

 この調査では、ファストフード、テイクアウト、ホームデリバリー・ケータリング、交通機関、レジャー施設、給食の6カテゴリー63業態の市場について現状を捉え、将来を展望した。

 ハンバーガーは2015年以降、市場拡大を続けている。2019年の市場は「マクドナルド」がメニューやデリバリーの強化により過去最高の売上を記録したことや、各社がメニューの多様化を図ったことなどから2018年比4.1%増となった。2020年は新型コロナウイルスの影響による店舗の休業が一部でみられるものの、日常食として低価格で提供している業態であることから需要は底堅く、他業態と比べるとインバウンド需要の減退などの影響は受けにくいため、市場は引き続き拡大すると予想される。

 宅配ピザは2016年以降、市場拡大を続けている。2019年は「ドミノ・ピザ」が出来立てのピザをより早く届けるなど顧客サービスを強化したほか、「ピザーラ」が前年に単品で人気を集めたメニューを組み合わせた”激盛りチーズクォーター”を発売し、「ピザハット」が人気の”グルメマニア4”を期間限定で割引したことから引き続き伸長した。2020年は「ドミノ・ピザ」のSNSを活用したキャンペーンの実施や「ピザハット」のランチタイムメニューの発売などの取り組みに加え、新型コロナウイルスの影響により外食を控える消費者が増えたことで上位チェーンを中心に利用が増加し、市場は2019年比5.0%増が見込まれる。

 回転ずしは低価格重視から品質重視のチェーンが売上を拡大させ、さらにラーメンやスイーツ、コーヒーなど他業態のメニューを取り入れたことから、ファミリーレストランやカフェ代わりに利用する消費者が増加し、客層が広がったことから市場拡大してきた。2019年は上位チェーンを中心とした積極的な出店戦略による店舗数の増加に加え、消費税増税を見据えた値上げや単価の見直しなどにより客単価が上昇し、引き続き市場は拡大した。2020年は「スシロー」などが郊外エリアだけではなく、都心エリアへの出店にも意欲的なことからさらなる店舗数の増加が期待されるほか、2019年に実施された各チェーンの値上げが通年実績に反映されることなどから市場は引き続き拡大するとみられる。主要チェーンを中心にフルオーダー制店舗を増やしており、新型コロナウイルスの影響により、衛生面を考慮して、その動きが一層加速するとみられる。

 唐揚げは、唐揚げをメインとして提供するイートイン、テイクアウト両方の店舗を対象とする。テイクアウト店舗は九州の一部地域などでは古くから展開されていたが、2010年頃から全国に出店が拡大した。2019年は「から好し」を中心に、「からやま」「からあげ縁」「鶏笑」なども店舗数を増加させ、消費者への認知が広がったことで需要が増加し、市場は2018年比41.0%増となった。2020年も上位チェーンの新規出店が続いている。また、イートイン主体の店舗も新型コロナウイルスの影響が懸念される中で出店を加速しており、市場は引き続き拡大するとみられる。

 量販店デリカは参入チェーン各社がメニュー開発に注力しており、中食需要の増加を背景に市場拡大を続けている。2019年は各チェーンで商品の開発と販売の強化がみられたほか、上位チェーンを中心にイートインスペースの拡充による外食需要の取り込みが進んだことなどから市場は拡大した。2020年は新型コロナウイルスの影響によって、営業時間の短縮やビュッフェ形式の惣菜販売を休止、パック詰めでの提供などの対応に追われているものの、惣菜の店内製造による商品開発のスピードアップや品質強化などがみられるほか、定番メニューの見直しや看板メニューの構築など量販店デリカに注力するチェーンが多いことから、市場は2019年比1.5%増が見込まれる。

 ファストフードは、新型コロナウイルスの影響により一部店舗の営業時間短縮や休業などのマイナス要素はあるものの、日常食としての需要が底堅いことから影響は比較的小さく、テイクアウトやデリバリーの需要が伸びていることから、2020年の市場は2019年比2.5%増が見込まれる。

 テイクアウトは、おにぎりやテイクアウトずし、デリカショップなどの売上が縮小する一方で、量販店デリカやCVSテイクアウトフードは旺盛な新規出店により伸長し、市場拡大してきた。2019年は量販店やCVSの店舗数が減少したものの、1店舗あたりの売上の増加により市場は微増となった。2020年は百貨店や駅ビルなどの大型施設を中心に営業時間の短縮や休業を余儀なくされたため、百貨店デリカや百貨店スイーツ店、ベーカリーショップなどの売上が低迷しており、市場は微減するとみられる。

 ホームデリバリー・ケータリングは、宅配ピザや宅配ずし、宅配釜飯などが伸びているが、2020年は仕出し弁当とケータリングが事業所向け弁当の注文減少や、会議や懇親会の中止による法人需要の減少から、市場は2019年比3.2%減が見込まれる。2021年は宅配ピザや宅配ずしが伸びるとみられ、再び拡大に転じると予想される。

 交通機関は、機内食や客船食堂を中心にインバウンド需要を取り込み拡大してきたものの、2020年は好調であった機内食、客船食堂ともに売上が前年を大幅に下回るとみられ、市場は2019年比12.0%減が見込まれる。

 レジャー施設は、ゴルフ場やスキー場、ギャンブル場、カラオケボックス、複合カフェなどが若年層の需要減少によって苦戦しているものの、レジャーランドや映画館・シネコンの伸びに支えられて、2019年の市場は微増となった。しかし、2020年は新型コロナウイルスの影響により、休業や営業時間を短縮する業態や施設がみられたため、市場は2019年比8.1%減が見込まれる。

 給食は、統廃合や閉鎖による施設数の減少から産業給食、病院給食、学校給食の縮小が続いているものの、有料老人ホームの相次ぐ新設によって高齢者福祉施設給食や、保育所や幼保連携型認定こども園の施設数増加によって幼稚園・保育所給食が伸長し、市場は拡大してきた。2020年は産業給食では在宅勤務などによる客数減少や営業時間短縮、休業となるケースがみられるほか、学生食堂も学生の登校機会減少など影響が出ており、市場は微減するとみられる。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2月~3月
[小売価格]
書籍版:11万円
PDF+データ版:12万円
書籍/PDF+データ版セット:14万円
ネットワークパッケージ版:22万円
(すべて税別)

富士経済=http://www.fuji-keizai.co.jp/


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