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矢野経済研究所、国内呉服(きもの)市場の調査、2019年の呉服小売市場規模は着物離れで前年比97.2%の2605億円に

2020.06.11 10:08 更新

 矢野経済研究所は、国内呉服(きもの)市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。その結果、2019年の呉服小売市場規模は前年比97.2%の2605億円に達した。2020年は“着物離れ”に加えて新型コロナウイルスの影響が懸念される。

 2019年の呉服小売市場規模は前年比97.2%の2605億円と推計した。着物に対する外国人からの関心は高く、訪日外国人客を中心にレンタル着物を着用した体験型観光やイベントなどが人気を集めているが、日本人の着物離れは加速している。着物の主要顧客であるシニア層の高齢化に加え、依然として着物の着用やその機会に対する心理的なハードルから若年層を取り込めていないのが実状である。

 一方で、近年は従来の様式に囚われない画期的な着物がデザインされることも増えてきた。「非日常の特別な衣装」としての着物から「非日常を楽しめる衣装」へと変化し、SNSを中心に情報発信されることで、国内外の人々に受け入れられるようになってきている。カジュアルに楽しく着物を着こなす人が増えることで、一般消費者の関心につながるものとみており、こうした連鎖は再び日本人の着物への関心を想起させ、慶弔用の着物や普段使いの和装の着用機会拡大につながるものと期待される。

 浴衣(ゆかた)の着用シーズン以外にも、浴衣を着物風にして、長く楽しむことが提案されている。本来、浴衣は部屋着や寝間着であるのだが、浴衣として販売されているものでも、色柄や素材によっては、襦袢を着用して伊達襟をつけて「着物風」にすることで浴衣を上品に着用することができ、花火大会や夏祭りだけでなく、カジュアルな食事会や観劇・美術館など、着用機会の幅も広がっている。夏着物自体を購入するハードルは高いものの、夏着物としても着られることを想定し、浴衣を2枚、3枚と色柄を増やしたくなる消費者の潜在需要に訴求することで、浴衣の購入機会を促している。また、浴衣を夏着物として着用する機会とともに、夏着物という概念に親しむことで、正式な夏着物の購入にもつながるものと期待されている。

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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