データ・リポート

矢野経済研究所、国内の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場調査、2018年は前年比1.8%減の9440億円と推計

2020.06.17 12:58 更新

 矢野経済研究所は、国内の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場を調査し、市場規模・動向、参入企業の動向、将来展望を明らかにした。その結果、保険治療(療養費)の減少が市場を押し下げ、市場は縮小の見通しで、2018年の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場は前年比1.8%減の9440億円と推計した。

 接骨院や鍼灸院、マッサージ院等で行われる施術は、いずれも国家資格者である施術者が行う医療類似行為(サービス)として位置づけられており、整形外科での医療行為や整体・カイロプラクテイックなど民間資格を持つ施術者による療法とは異なる。

 国内の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場は、柔道整復市場における保険治療(療養費)の減少によって、2015年以降縮小傾向にあり、2018年の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場(事業者売上高ベース)は前年比98.2%の9440億円と推計した。

 接骨院・鍼灸院・マッサージ院など治療院の商圏は、院長の知名度が特別に高い治療院以外は都心部で半径500m、郊外でも半径2~3km程度であり、そこに居住しているもしくは勤務・通学している人間が対象者となる。

 厚生労働省「衛生行政報告例」によると、それらの治療院や国家資格者の数はいずれも増加傾向にあり、同じ商圏内の治療院数の増加によって、一治療院当りの来院患者が減少している。

 さらには、リラクゼーションサロン・カイロプラクティック・整体などの民間資格サロンや、整形外科との競合などの周辺業種との競争激化が患者数の減少に拍車をかけている状態である。すべての治療院が、今後、患者から選ばれる治療院となるべく、他院や周辺業種との差別化を図っていく必要がある。

 国内の柔道整復・鍼灸・マッサージ市場は、治療院数、国家資格者数の増加による競合に加え、民間資格サロンや整形外科など周辺業種との競争が激しくなり、これまでと同じやり方、同じサービスの継続では立ち行かなくなる治療院が増える可能性もある。さらに、新型コロナウイルス感染拡大に伴い生じた非連続的な事象を背景に、生活者に新たな価値観が生じ、ポストコロナにおいては、従前と異なる生活行動が定着化して、そしてこの変化は企業活動にも大きな影響を与えつつあり、接骨院や鍼灸院、マッサージ院の運営事業者も対応を迫られている。

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


このページの先頭へ