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矢野経済研究所、国内のおひとりさま関連市場の調査、2019年は15分野のうち13分野で成長の見込

2020.05.03 10:43 更新

 矢野経済研究所は、国内のおひとりさま関連市場(13市場15分野)を調査し、各々の市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。2019年のおひとりさま関連市場では15分野のうち13分野で成長の見込であることがわかった。単身者、単身世帯の増加に加え、あらゆる業界で「一人利用」を対象としたサービスの提供が増えてきていることから、今後もおひとりさま市場は拡大していくと予測する。

 日本国内においては単身世帯数が増加し、いわゆる「お独りさま」が増えているほか、ライフスタイルの変化や趣味・嗜好の多様化などによって、一人で行動・消費することを好む「お一人さま」も増加している。その結果として、おひとりさまが市場の担い手となっている産業も数多く存在し、経済に与える影響も徐々に拡大している。同調査では、おひとりさまに関連する13市場15分野の動向を調査した。

 2018年(年度)のおひとりさま関連市場では、15分野のうち12分野が成長した。金額規模の大きい分野は、おひとりさま外食市場(1人来店客の利用金額ベース)が前年度比3.6%増の7兆9133億円、おひとりさま中食市場(1人用購入客の利用金額ベース)の前年度比2.8%増の7兆4000億円であった。前年からの成長率では、おひとりさまカラオケ市場が前年比21.6%増の450億円と最も高い成長率を示した。

 主な「ひとり焼肉・ひとりしゃぶしゃぶ専門店」を同社の解析手法「Xビジネスエンジン」を用いて分析(調査期間は2019年11月から2020年1月までの3ヵ月間)した。

 同分析結果では、インターネット検索と口コミの総量である「熱量」(バブルの大きさ)で「焼肉ライク」が最も高かった。また、1回のメディア露出あたりの反響が大きい「魅力度」とブランドに関心がある人の間で積極的に二次拡散が行われている「温度」の指数も高かったのは、「焼肉ライク」「しゃぶせん」「ひとり焼肉 美そ乃」の3ブランドであった。特に「ひとり焼肉 美そ乃」は、「熱量(ネット上での反響の総量)」は低いものの、メディア露出あたりの反響度合いに加え、ユーザー間の二次拡散度も高く、消費者の間で活発に情報の共有(シェア)が行われていることがうかがえる。

 2019年(年度)のおひとりさま関連市場では、15分野のうち13分野で成長の見込みである。成長率(見込)をみると、セルフレジ市場が前年度比14.3%増(129億6700万円)と2桁成長の見込みである一方、終活関連の個人墓市場、フィギュア市場の2市場は引き続きマイナス成長を見込む。

 セルフレジ市場の2桁成長の背景には、大手小売チェーンの大規模なリプレイス(更新・代替)需要の継続がある。一方、個人墓市場は需要拡大は続くものの、単価の低い埋葬様式への需要が高まっていることで、金額でみるとマイナス成長になるものとみる。またフィギュア市場も引き続き市場を押し上げるほどの人気コンテンツが現れていないことから、縮小基調を見込む。

 おひとりさま市場全体としては、晩婚化や非婚化による単身者の増加、高齢化による単身世帯の増加などによって、今後もいわゆる「お独りさま」が増加していく見込みである。加えて、あらゆる業界で一人利用を対象としたサービスや、一人であっても同じ趣味・嗜好を持つ仲間を見つけて楽しく過ごせるサービスなどの提供も増えている。こうしたなか、独身・一人暮らしといった「おひとりさま」以外の人に関しても一人で消費、行動する傾向が高まっているため、今後もおひとりさま市場は拡大していくと予測する。

[調査要綱]
調査期間:1月~3月
調査対象:おひとりさま関連13市場15分野の参入事業者および業界団体等
調査方法:同社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、インターネットアンケート調査、および文献調査併用

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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