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富士経済、ジェネリック医薬品の市場調査、2023年予測ではオーソライズドジェネリック市場が1918億円・バイオシミラー市場が1155億円に

2020.04.03 14:30 更新

 富士経済は、数量ベースでの置換え率80%超の達成期限まであと半年に迫るジェネリック医薬品の市場を調査した。その結果を「2020 ジェネリック医薬品・バイオシミラーデータブック No.2」にまとめた。トピックスとして、2023年予測(2018年比)では、高血圧症治療剤、抗アレルギー剤・呼吸器疾患治療剤、代謝系疾患治療剤がけん引し、オーソライズドジェネリック市場が1918億円(84.4%増)に達する見通しだ。ジェネリック医薬品に占める割合は15.1%までアップする。エリスロポエチン製剤、抗がん剤がけん引するバイオシミラー市場は1155億円(5.2倍)と予測。ジェネリック医薬品に占める割合は9.1%までアップする。

 この調査では、オーソライズドジェネリックやバイオシミラーなども含めたジェネリック医薬品(診療報酬点数表の後発医薬品に属するもの)をはじめ長期収載品(後発医薬品がある先発医薬品)の市場を16の薬効領域に分けて調査・分析した。なお「同 No.1」では、計46社の企業事例を調査した。

 ジェネリック医薬品市場は、政府が医療費削減や患者の負担軽減を目的に長期収載品からの置換えを推進しており、拡大している。2019年はジェネリック医薬品の発売が少なかったものの市場は引き続き拡大し、1兆円突破が見込まれる。また、オーソライズドジェネリックやバイオシミラーに注力する企業が増えており、それらの増加も拡大の要因となっている。

 薬価の引き下げはマイナス要因となるものの、特許切れによるジェネリック医薬品の発売や、オーソライズドジェネリックやバイオシミラーの増加などにより市場は拡大を続け、2023年には2018年比33.2%増の1兆2727億円が予測される。このうち、オーソライズドジェネリックは市場の15.1%、バイオシミラーは市場の9.1%を占めるとみられる。

 オーソライズドジェネリックは先発品メーカーから許諾を受け製造されたジェネリック医薬品である。先発品と原薬や製造方法などすべてが同一ながら薬価が低く、消費者の安心・信頼を得やすいこともありジェネリック医薬品の中でも位置づけが高まっている。初めて製品が投入された2013年以降市場が拡大しており、2018年に1000億円を超え、2018年から2023年にかけて年平均10%超の成長が予想される。

 オーソライズドジェネリックは生活習慣病やアレルギー性鼻炎など患者数の多い治療剤を中心に製品化が行われている。そのため高血圧症治療剤、抗アレルギー剤・呼吸器疾患治療剤、代謝系疾患治療剤などの実績が高く、2020年には高血圧症治療剤は500億円、抗アレルギー剤・呼吸器疾患治療剤、代謝系疾患治療剤は200億円を超えると予想される。

 抗がん剤(がん関連用剤含む)や婦人科領域の実績も伸びている。また、2019年には泌尿器疾患治療剤・腎疾患治療剤が発売され、2020年には整形外科領域でも新たに発売される予定であり、オーソライズドジェネリックが発売される薬効領域が広がっている。

 バイオシミラーは特許期間が満了したバイオ医薬品の後続品であり、ジェネリック医薬品の一種である。2009年に国内初の製品が発売され、市場が形成された。2019年は国内初のバイオセイム(バイオ医薬品におけるオーソライズドジェネリック)となる腎性貧血治療剤(エリスロポエチン製剤)が発売され、2018年比2.1倍と大幅な拡大が見込まれ、バイオシミラーへの置換え率(バイオシミラー/(バイオ医薬品の長期収載品+バイオシミラー))は20%を超えるとみられる。

 これまで、実績が100億円を超える成分はなかったが、2019年に発売された「ダルベポエチン アルファ」(協和キリンフロンティア)がバイオセイムという信頼性の高さから一気に需要を獲得し、エリスロポエチン製剤は200億円超が見込まれるほか、2018年に発売された抗がん剤初のバイオシミラーである、リツキシマブを成分とする製品も順調に実績を伸ばしており、2020年には100億円を超えると予想される。

 今後特許切れとなるバイオ医薬品が増えることでバイオシミラーも増加していくとみられ、2018年から2023年にかけて年平均40%近くの成長が予想される。

 長期収載品市場は特許切れにより収載品目数が増加することで、今後も1.7兆円台の市場を維持するとみられる。一方でジェネリック医薬品への移行は続き、置換え率は2023年に41.5%が予測される。

 抗がん剤は2019年に「イレッサ」(アストラゼネカ)のジェネリック医薬品が発売されたほか、バイオシミラーも伸びており、市場が拡大している。しかし、置替えが一巡した成分では薬価引き下げによる縮小もみられる。

 オーソライズドジェネリックは岡山大鵬薬品、サンドが展開しており、2019年には第一三共エスファが複数の成分で製品を発売した。それによりオーソライズドジェネリックの製品数は倍増し、市場も拡大している。

 バイオシミラーは2018年にリツキシマブ、トラスツズマブを成分とする製品が発売されたことで市場が立ち上がり、2019年にはベバシズマブを成分とする製品が発売された。トラスツズマブは先発品と同じ適応がようやく揃い、本格的な拡大は2020年からとみられる。

 抗アレルギー剤は2017年にベポタスチンベシル酸塩を、呼吸器疾患治療剤は2016年にモンテルカストを成分とするジェネリック医薬品が発売され、それぞれ置換えが進み市場が拡大している。2019年に「ナゾネックス」(杏林製薬)のジェネリック医薬品が発売され、2020年は伸びが予想される。また、2022年、2023年と特許切れが予定される製品が複数あり、ジェネリック医薬品の発売とともに拡大し、2023年には1000億円を超えるとみられる。

 オーソライズドジェネリックは、年々ジェネリック医薬品市場内での構成比を高めており、2019年は25.9%が見込まれる。モンテルカスト、フェキソフェナジン、ベポタスチンベシル酸塩を成分とする製品ではオーソライズドジェネリックの規模が最も大きくなるなど、ジェネリック医薬品市場をけん引している。バイオシミラーは、2023年頃に「ゾレア」(ノバルティス ファーマ)の特許切れが予定されており、これによって市場が立ち上がるとみられる。

 経口剤が主体で継続服用が必要となる高血圧症治療剤は、2008年、2014年と大型成分のジェネリック医薬品が発売されたことで、2015年にジェネリック医薬品市場は1000億円を突破した。その後も、オーソライズドジェネリックの投入などにより拡大が続いており、2019年の置換え率は50%近くに達するとみられる。しかし、既に多くのジェネリック医薬品が発売され、今後予定される大型成分の特許切れは「アジルバ」(武田薬品工業)など限られることから、市場の伸びは鈍化するとみられる。

 オーソライズドジェネリックはカンデサルタン、バルサルタン、オルメサルタンなどを成分とする製品が発売されており、ジェネリック医薬品の3割近くを占めている。第一三共エスファが多くのオーソライズドジェネリックを投入しており、市場をけん引している。

[小売価格]
書籍版:12万円
PDF+データ版:13万円
書籍/PDF+データ版セット:15万円
ネットワークパッケージ版:24万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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