データ・リポート

富士経済、機能性表示食品・特定保健用食品などの国内市場調査、機能性表示食品は2020年に3000億円突破し年々特定保健用食品の規模に迫る

2020.04.15 10:16 更新

 富士経済は、特定保健用食品の需要を取り込みながら、ドリンク類やサプリメントの伸びにより拡大を続ける機能性表示食品などの保健機能食品(機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品)の国内市場を調査した。その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧2020 No.3 機能性表示別市場分析編」にまとめた。

トピックスとしては、2020年国内市場予測(2018年比)では、機能性表示食品が、ドリンク類、サプリメントが伸びる。訴求効能別では生活習慣病予防の構成比が拡大し、3007億円(38.6%増)に達する見通しだ。特定保健用食品が、機能性表示食品との競争激化によって縮小が続き3400億円(5.5%減)に達するものとみられる。

 当初は大手企業の参入が少なかったこともあり、制度が開始された2015年の市場は305億円にとどまった。しかし、2016年以降は大手企業による既存商品の機能性表示食品へのリニューアルや、著名ブランドの派生商品や新規ブランド商品など、商品投入が相次いでおり、市場は拡大が続いている。

 2019年は、ヨーグルトの上位商品がリニューアルの際に機能性表示食品としての展開をやめたことにより、明らか食品は大幅に縮小するとみられる。しかし、ドリンク類は「お~いお茶 濃い茶」(伊藤園)の機能性表示食品へのリニューアル、「Yakult(ヤクルト)1000」(ヤクルト本社)の発売など商品数が引き続き増加しており、大幅に伸びるとみられる。サプリメントは上位企業の積極的なプロモーション展開などによって伸びが続いている。

 2019年の種類別の構成比は、サプリメントが47.5%、ドリンク類が41.1%、明らか食品は11.3%が見込まれる。2018年と比べるとドリンク類の構成比が高まる一方、明らか食品は大幅に低下するとみられる。2020年もドリンク類が高まり、明らか食品の低下が進むと予想される。

 訴求効能別では、生活習慣病予防の市場規模が最も大きい。多くの商品が発売されており、特にドリンク類やサプリメントが大きく伸びているため、2019年の構成比は50%近くまで高まるとみられる。骨・関節・筋肉サポートはサプリメントを中心に伸びている。大手企業による既存商品の機能性表示食品へのリニューアルが伸びをけん引している。ストレス緩和・睡眠サポートはサプリメントの堅調な伸びに加えて、2019年にドリンク類の商品が相次いで発売されたことにより、今後大幅な伸びが予想される。一方、整腸効果は2019年に上位商品が機能性表示食品としての展開をやめたため、縮小するとみられる。

 ヘルスクレーム別では、生活習慣病予防やダイエットで展開されている脂肪の市場規模が最も大きい。ヨーグルト飲料や乳酸菌飲料、サプリメントなどが主力商品であるが、2019年には茶系飲料の大型商品が機能性表示食品としてリニューアル発売され好調であり、今後のさらなる伸びが期待される。膝・関節はほとんどがサプリメントで展開されている。グルコサミンやコラーゲンなどを関与成分とする商品が中心であり、30%以上の伸びが続いている。また、ほかにも数多くのヘルスクレームで商品が展開されており、市場を底上げしている。

 成分別では、乳酸菌類の市場規模が最も大きく、明らか食品やドリンク類を中心に伸びてきたが、ヨーグルトの上位商品が機能性表示食品でなくなったため、今後は縮小するとみられる。食物繊維はドリンク類や明らか食品を中心に実績を伸ばしてきたが、ドリンク類は競合の激化により苦戦している商品もみられる。リコピンはほとんどがドリンク類で展開されており、トマトジュースの商品が伸びている。コラーゲンはサプリメントが中心であるが、ドリンク類で主要商品が機能性表示食品としてリニューアル発売されたことで今後の伸びが予想される。ほかには、GABAなどの伸びが期待される。

 機能性表示食品は、2019年にも多くの新たな届出が消費者庁から公表されており、2018年までに届出が公表された未発売の商品もあることから、これらが発売されることで市場拡大が予想される。

 また、サプリメントを中心に既存の商品を機能性表示食品としてリニューアル発売している商品も多くみられる。これらの商品には既に固定ユーザーがついており、機能性を明示することにより新規顧客の獲得が期待できる。一方、明らか食品では、著名なブランドから派生商品として機能性表示食品を発売しても苦戦するケースや、サプリメントを中心に商品の差別化が難しいケースがみられるなど、参入企業にとっての課題も浮上している。

 特定保健用食品の国内市場は、ヨーグルトに代表される整腸や、茶系飲料の生活習慣病予防を訴求した商品などが市場拡大をけん引してきたが、2015年の機能性表示食品制度の施行によって市場を取り巻く環境は一変した。機能性表示食品が類似の機能性をうたいながら比較的安価であるのに対して明確な差別点や優位性を確立できなかったため、2018年はマイナスに転じることとなった。

 2019年は生活習慣病予防訴求のドリンク類が前年に引き続き苦戦し、ヨーグルトや乳酸菌飲料も乳酸菌ブームが下火になったことで市場環境は厳しさを増しており、2年連続で市場は前年割れになるとみられる。一方、“肌の水分を逃がしにくくする”機能をうたった商品が発売されるなど新たな展開もみられる。

 生活習慣病予防訴求のドリンク類を中心とした機能性表示食品との競合の激化や乳酸菌ブームの沈静化によって、今後も市場は縮小が予想される。機能性表示食品と類似のヘルスクレームを表示している場合、価格が割高なため、需要の流出は避けられない状況となっている。しかし、サプリメントについては、積極的な広告投下やコミュニケーション施策によって伸びている商品もみられ、今後の伸長が期待できる。

 ドリンク類の市場規模が最も大きく60%以上を占めている。生活習慣病予防訴求の茶系飲料や整腸効果を訴求した乳酸菌飲料が中心であるが、近年は競合激化や乳酸菌ブームの沈静化によって苦戦しており、今後は縮小が予想される。明らか食品は30%程度を占める。2018年はヨーグルトが堅調で伸びたが、2019年はヨーグルトの多くが低調だったことに加え、新商品の展開もみられなかったため、2018年比0.8%減が見込まれる。

 サプリメントは小規模ではあるものの、2019年は主要ブランドが堅調だったことや新商品の発売もあり、伸びるとみられる。

 特定保健用食品では、訴求効能は整腸効果や生活習慣病予防、骨・関節・筋肉サポート、オーラルケアに限られていたが、2019年に美容効果の商品が新たに投入されている。今後、美容効果を除いては、それぞれが縮小するとみられる。

 ヘルスクレームについても、機能性表示食品に比べて種類が限られており、生活習慣病予防関連や腸内環境、便通改善、歯などとなっている。複数ヘルスクレームについても、機能性表示食品では4つのヘルスクレームを同時訴求する商品がみられるのに対し、特定保健用食品は2つまでしかみられない。2019年に肌の保湿・乾燥ケアが新たに登場しており、今後の展開が期待される。

[小売価格]
書籍版:12万円
PDF+データ版:13万円
書籍/PDF+データ版セット:15万円
ネットワークパッケージ版:24万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


このページの先頭へ