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富士経済、調味料や調味食品78品目の市場調査、2024年市場予測ではアマニ油・市販用が2018年比36.0%増の136億円に

2020.03.06 18:56 更新

 富士経済は、健康性の高さからオリーブ油やアマニ油が注目される調味料や、消費者の時短ニーズの高まり、個食化の進行により需要が増加しているレトルトカレーなど調味食品の国内市場を調査した。今回の調査では、調味料54品目、調味食品24品目合計2カテゴリー78品目の市場を捉え、その結果を「2020年 食品マーケティング便覧No.4」にまとめた。トピックスとしては、2024年市場予測(2018年比)では、中性脂肪の減少、高血圧、アルツハイマー型認知症などへの効果について認知度が高まり、伸長するアマニ油・市販用が136億円(36.0%増)に対する見通しだ。また、共働き世帯の増加や世帯人数の減少などを背景に、時短ニーズの高まりや個食化が進み需要増加が見込まれるレトルトカレーが922億円(7.1%増)に達すると予測する。

 食用油市場は、主力であったサラダ油はキャノーラ油の伸長により需要が減少し、その後も健康イメージの低さから敬遠されたものの、2010年代以降はオリーブ油やごま油によりイメージが大幅に改善され、さらに、アマニ油やえごま油の台頭もみられるなど、健康性が見直されるとともに拡大してきた。2019年はオリーブ油とアマニ油が健康性の高さがメディアで取り上げられたことで大幅に伸長したほか、ごま油も引き続き伸びているため、市場は拡大するとみられる。

 オリーブ油は調理用途のみならず調味料としてサラダなどに使う生食用途やアヒージョなどのメニュー提案により需要が活性化している。今後も健康性による需要増加や生食用途の好調により伸長するとみられる。

 アマニ油・市販用は中性脂肪の減少、高血圧、アルツハイマー型認知症などに効果があるとメディアで紹介されたことで認知度が高まり、中高年の需要を取り込んでいる。2019年は前年と比べて伸びは鈍化するものの二桁増が見込まれ、今後も伸長するとみられる。

 マヨネーズ類では、近年はマヨネーズソテー、マヨネーズトーストなどメニューの拡がり、それに伴う食シーンの拡大により従来のサラダ用途に加え、汎用調味料としての定着が進んでいる。また、業務用も中食需要の増加に伴い伸びている。2019年はキユーピーが創業100年を記念した周年キャンペーンで積極的に販促を進めたほか、味の素も微増となるなど市場は前年を上回ると予想される。メディアの発信により、マヨネーズ類は糖質が少なく、体に必要な栄養素の含まれる商品であるという認知が進んでおり、今後も健康価値の再認識や調理用途の広がりにより市場は拡大するとみられる。

 スパイス類は、わさび、からし、七味唐辛子などの和風スパイス、純カレー、こしょうなどの洋風スパイス、ハーブなどを対象とする。近年はわさびが低調なものの、辛みや痺れのある唐辛子や山椒、花椒などの需要が増加しているほか、簡便ニーズや業務用において人手不足に対応した商品としてシーズニングスパイス、ミックススパイスが伸びている。また、調理用途で生鮮の代替として大容量のしょうが、にんにくチューブの好調が続いており、2019年も拡大するとみられる。

 レトルトカレー、インスタントカレーは、レトルトカレーは共働き世帯の増加や世帯人数の減少などを背景に、消費者の時短ニーズの高まりや個食化の進行により需要が増加している。2019年は、中高価格帯商品は好調なものの、低価格帯は競争激化で苦戦している。また、前年の西日本における震災時の特需の反動から伸びは鈍化し、2018年比1.4%増が見込まれる。一方、簡便ニーズの高まりを背景にインスタントカレーからの需要シフトがみられるなど今後も市場は拡大するとみられる。

 インスタントカレーは共働き世帯の増加や世帯人数の減少による時短ニーズ、個食ニーズの高まりを背景にレトルトカレーなどに需要が流出し、低調に推移している。2019年はハウス食品とエスビー食品の積極的なプロモーションが奏功し、微増が予想されるが、2020年以降、市場は微減するとみられる。

 メニュー専用合せ調味食品は、麻婆豆腐、青椒肉絲、回鍋肉などのメニューを訴求し、具材を加えて調理するドライ商品を対象とする。女性の社会進出や若年層の料理離れによる時短ニーズ、簡便化ニーズを背景に市場は拡大してきた。2019年は中華メニューの需要は落ち着いているものの、和風・洋風メニューでは具入り商品の投入が相次ぎ、2018年比1.4%増が見込まれる。また、アジアンメニューも引き続き需要が増加していることから、市場は拡大していくとみられる。

 調味料は、しょうゆやみそといった基礎調味料の縮小が続く一方で、食用油やスパイス類、食酢、マヨネーズ類など、健康性への注目や用途・メニューの広がりによって成長する品目も多くみられ、市場は拡大が続いている。食用油のうち、オリーブ油とアマニ油がメディアで健康性が紹介され、メニュー提案が活発に行われたことで需要が喚起されており、米油も認知度の高まりにより、ヘビーユーザーが増加している。その他調味酢は、Mizkanの「カンタン酢」が積極的なメニュー提案とTV-CMの展開によって好調で、2019年に新規参入もあり引き続き伸長するとみられる。マヨネーズ類は糖質が少なく脂肪燃焼に必要なたんぱく質、脂質が含まれているといった認知が進み、イメージの変化が追い風となってレギュラー品を中心に需要が増加している。スパイス類はミックススパイス、シーズニングスパイスが好調であり、しょうがやにんにくでは大容量タイプの需要が増加したほか、痺れのある山椒や花椒が人気となって伸びている。

 調味食品は簡便調理ニーズの高まりを背景に市場が拡大してきたが、近年は冷凍食品や弁当・惣菜といったほとんど調理を必要としないカテゴリーへのシフトにより伸び悩む品目もみられ、2021年以降、市場は縮小に転じるとみられる。調味食品のうち、レトルトカレーは簡便調理ニーズの高まりを背景にインスタントカレーから需要がシフトしていることもあり伸長している。また、メニュー専用合せ調味食品は、中華メニューでは麻辣ブームが落ち着き、他のメニュー専用合せ調味食品へのシフトが一部でみられるものの、和風・洋風メニューでは具入り商品が好調で、アジアンメニューも家庭で広がりをみせていることから伸長している。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2019年10月~12月
[小売価格]
書籍版:10万円
PDF+データ版:11万円
書籍/PDF+データ版セット:13万円
ネットワークパッケージ版:20万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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