データ・リポート

富士経済、機能志向食品(サプリメント)の国内市場調査、2020年市場予測では9247億円と2018年水準に

2020.03.02 17:08 更新

 富士経済は、健康志向食品(明らか食品、ドリンク類)に比べて高単価であるが、成分や機能を冠した商品が多いことによって健康への意識が高い消費者を中心に需要を獲得している、機能志向食品(サプリメント)の国内市場を調査した。その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧2020 No.2 機能志向食品編にまとめた。トピックスとして、2020年市場予測(2018年比)では、生活習慣病予防や骨・関節・筋肉サポートなどの伸びがけん引、機能性表示食品の需要も増加する機能志向食品が9247億円(0.2%増)に達する見通しだ。構成比の高い中性脂肪値・コレステロール値改善や、伸びが大きい血糖値改善などがけん引する生活習慣病予防が1144億円(10.7%増)と予測。新規参入など積極的な新商品投入により拡大が続くストレス緩和・睡眠サポートが117億円(8.3%増)と見込まれる。

 この調査では機能志向食品を滋養・強壮、骨・関節・筋肉サポート、マルチバランス、生活習慣病予防などの訴求効能別や、成分別に分類し、市場の現状を調査し、将来を予想した。なお、機能志向食品とは、健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトをもった商品(H・Bフーズ)のうち、機能性を重視した商品設計を行い、一般用医薬品等との競合が予想される商品(サプリメント)としている。

 2018年の機能志向食品(サプリメント)市場は、プロテイン商品が好調なスポーツサポートや、機能性表示食品が大幅に伸びた生活習慣病予防、インバウンド需要を取り込み好調なマルチバランスなどに加え、ストレス緩和・睡眠サポートが機能性表示食品の増加により二桁に近い伸びとなったこともあり、2017年比1.4%増の9226億円となった。

 2019年の市場は、プロテイン商品の伸びが続くスポーツサポートや、機能性表示食品の活性化で需要が増加している生活習慣病予防など好調な分野がある一方、景品表示法違反に起因した酵素商品のマイナスやフルーツ青汁の落ち込みにより大幅に縮小しているダイエット、中国EC法施行以降のインバウンド需要が縮小し減少しているグリーンチャージなど、2018年を下回る品目もみられ、市場は低調である。

 2020年の市場は、引き続きスポーツサポートや生活習慣病予防などの伸びが期待されるほか、規模の大きいマルチバランスや骨・関節・筋肉サポートなども堅調さを維持するとみられ、微増が予想される。中でも、機能性表示食品が、骨・関節・筋肉サポートや生活習慣病予防、ダイエットを中心に、大型ブランドの続伸や新商品の投入などにより好調である。また、尿酸値対策など、新たな機能訴求の広がりも期待されており、機能性表示食品の伸びが今後も市場拡大をけん引すると予想される。

 シリーズサプリメントの2019年の市場は、ダイエットや美容効果などが前年を下回ったものの、生活習慣病予防やマルチバランスの上位商品の好調が市場をけん引し、2018年比2.3%増が見込まれる。2020年以降も堅調な伸びが予想される。

 生活習慣病予防は、健康診断でのコレステロール値や血糖値異常への注意喚起や、参入メーカーによる積極的なプロモーションが展開されていることから、早期予防目的のセルフメディケーションの需要が増えている。機能性表示食品の制度施行以降、具体的な機能訴求と商品数の増加によって新規顧客の開拓も進んでいる。2019年は4つの機能訴求を有する商品や尿酸値対策商品が発売されるなどヘルスクレームの広がりがみられ、今後も機能性表示食品が市場拡大をけん引すると予想される。ただし、商品によっては発売から数年で需要が一巡するなど魅力度や訴求力の低下が早いケースもみられ、参入メーカーにとっては継続的なプロモーション展開や短いスパンでの商品投入/リニューアルの必要性が負担となっている場合もある。

 特定保健用食品は、類似のヘルスクレームの機能性表示食品との競合もみられ、苦戦が続いている。

 中性脂肪値・コレステロール値改善は、DHA・EPAが、引き続き堅調に伸びている。2019年は上位メーカーを中心にTVCMなどの積極的なプロモーション展開などにより好調であるため、2018年比6.8%増の501億円が見込まれる。

 血糖値改善は、上位メーカーの積極的なプロモーション展開によって、消費者の血糖値対策への意識向上が進んだことから、2016年以降好調である。2019年はリニューアルした上位商品をはじめ、機能性表示食品に加えて、特定保健用食品でも好調な商品がみられる。

 認知機能サポートは、DHA・EPAなどオメガ3脂肪酸やイチョウ葉を主成分とする商品が中心となっている。機能性表示食品制度の開始以来、イチョウ葉を中心に“記憶力の維持”などを訴求した多数の商品が投入されたことで2015年から2017年にかけては二桁の伸長が続いた。2018年以降、伸長率は落ち着いてきているものの、新商品の投入や高齢者人口の増加などにより、今後も堅調な伸びが予想される。

 高血圧予防は、一部商品の終売などの影響で一時縮小していたが、2018年以降は上位商品の伸びや、各メーカーが積極的に投入する機能性表示食品が堅調なため拡大している。

 ストレス緩和・睡眠サポートは、セントジョーンズワートをはじめとするハーブ成分や、グリシン、テアニン、GABAなどを成分とし、ストレス緩和や、睡眠サポートを訴求した商品を対象とする。機能性表示食品制度がスタートした2015年以降、ストレスの緩和や睡眠の質改善といった明確な機能性が表示できるようになったことから、各メーカーが積極的な商品展開を進めている。

 2015年、2016年と各メーカーから相次いで機能性表示食品が発売されたことで、市場は大幅に拡大してきたが、2017年は商品数の増加による競争の激化などもあり微増にとどまった。

 2018年は、機能性表示食品を中心に全体的に堅調だったことから、2017年比9.1%増と二桁近い拡大となった。2019年も機能性表示食品の新商品が発売され、各メーカーがプロモーション活動を強化しているため、前年比プラスになるとみられる。

 各メーカーによる積極的な新商品の発売により今後も市場拡大が期待されるが、商品数の増加によって競合が激化していることもあり、以前のような大幅な伸びは難しいとみられる。また、市場構成比の7割強が機能性表示食品であるが、その他の商品は一部で終売の動きもあり淘汰が進むとみられる。

[小売価格]
書籍版:12万円
PDF+データ版:13万円
書籍/PDF+データ版セット:15万円
ネットワークパッケージ版:24万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


このページの先頭へ