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富士経済、清涼飲料の国内市場調査、2019年は2018年比0.2%増5兆2286億円と7月の天候不順の影響から微増にとどまる

2020.02.17 10:05 更新

 富士経済は、2019年は、需要期の7月に長雨や低気温といった天候不順などの影響を受けるも、紅茶飲料や無糖茶飲料の伸びや、一部商品の価格改定によって微増が見込まれる、清涼飲料の国内市場を調査した。その結果を「清涼飲料市場における将来性および成長要因分析調査 2019」にまとめた。トピックスとして、2020年予測(2018年比)では、炭酸飲料、機能性飲料、豆乳類などが堅調に伸びることから、清涼飲料の国内市場は5兆2379億円(0.4%増)と見込まれる。タピオカブームの恩恵に加え、参入メーカーの積極的な商品投入によって市場は活性化した紅茶飲料は、2148億円(14.5%増)の見通しだ。ミルクティーだけでなく、新たなフレーバーが加わり拡大が続くタピオカドリンクは、136億円(2.0倍)に達するとみられる。

 この調査では、清涼飲料16分野49品目の市場の現状を分析し、将来を予想した。また、健康性や容器・容量などをテーマに注目される17品目の市場の将来性についてもまとめた。

 清涼飲料の国内市場は、2019年見込が5兆2286億円(2018年比:100.2%)で、2020年予測が5兆2379億円(2018年比:100.4%)の見通しだ。

 2019年は、前半にコスト増を受けた大容量PET商品や乳価の高騰による乳性飲料の価格改定、また、需要期の長雨や低気温といった天候不順の影響により、販売量ベースでは2018年を下回るとみられる。一方、金額ベースでは一部商品の価格改定効果や、紅茶飲料や無糖茶飲料、豆乳類の伸びにより、2018年比0.2%増が見込まれる。

 ドライ飲料は、無糖茶飲料や紅茶飲料が好調だったものの、前半に上位メーカーが価格改定を行ったことによる消費者の買い控えや流通との交渉難航などで大容量PET商品の販売が減少し、また、猛暑となった2018年と比べて、7月の販売が天候不順により大きく落ち込んだため、市場の伸びは微増にとどまるとみられる。

 チルド飲料は、近年はドリンクヨーグルトや豆乳類など機能性や健康性の高い飲料が好調であったが、ドリンクヨーグルトの需要は近年落ち着きつつある。一方、縮小が続いていた乳飲料ではたんぱく質摂取の重要性の認知向上により2018年比プラスとなるなど、明るい材料もみられる。

 今後、上位メーカーは注力ブランドに対して集中的な投資を進め、強固なブランド作りで売上を確保する傾向が強まるとみられる。2020年は炭酸飲料や機能性飲料、豆乳飲料などの伸びが期待され、市場は5兆2,379億円が予測される。

 紅茶飲料の市場は2016年以降、微増で推移していたが、2019年は大幅な拡大が見込まれる。2019年はタピオカミルクティーがカフェや専門店をはじめ様々な外食業態に派生したことにより紅茶ユーザーの裾野が広がり、清涼飲料でも各メーカーから新商品が積極的に投入されたことにより、市場が活性化している。また、上位メーカーが既存ブランドのリニューアル、他カテゴリーブランドを利用した新商品投入など、それぞれの切り口による積極的な展開で、無糖やミルクティー、フルーツティーなど多様な商品が発売されたため、市場は2018年比16.0%増が見込まれる。 タピオカブームの恩恵を受けながらも、紅茶ならではの香りやリラックス効果など紅茶そのものの価値の見直しや、売り場の近いPETコーヒーからの需要流入などもみられ、今後も2000億円を超える市場が期待される。

 豆乳類は、豆乳と大豆飲料を対象とする。健康需要に加え、近年は調製豆乳や無調整豆乳を中心に調理での使用など用途も広がっており、大豆飲料は減少しているものの、市場拡大が続いている。2018年は、調製豆乳や無調整豆乳が堅調だったことに加え、豆乳飲料を凍らせて食べる“豆乳アイス”がSNSを通じて若年層の需要を獲得したことにより、市場は拡大した。2019年は、上位メーカーを中心に若年層や新規ユーザーの獲得を図った小型容器の豆乳飲料などの伸長、また、白物系豆乳が調理や飲用シーンなどの提案で需要が増えていることから、市場は前年比5.6%増の697億円が見込まれる。今後、豆乳飲料における新規ユーザーの獲得や白物系豆乳における用途拡大による使用量の増加が期待され、市場は堅調な伸びが予想される。また、苦戦が続く大豆飲料も上位メーカーが機能性を訴求した商品の発売や、常温保存可能なパッケージへのリニューアルなど注力度を高めており、下げ止まりが期待される。

 ドリンクヨーグルトは、ヨーグルトの健康性をメディアが継続して取り上げたことで、免疫力向上によるインフルエンザ予防効果だけでなく、健康管理に寄与する商品として消費者に認知されたことによって、市場は拡大を続けてきた。 2018年は、機能性タイプの商品や大容量紙パックなどの展開によりライトな健康志向ユーザーの需要獲得を図ったものの、メディア報道の落ち着きや他の健康飲料への需要流出などによって、市場は2017年比微減となった。2019年は、上位メーカーが機能性の認知向上に注力したことで各ブランドが安定的に需要を獲得しており、市場は2018年比1.7%増が見込まれる。今後も、乳酸菌の効能効果訴求や健康効果についての啓発活動の継続、新規ユーザー層の獲得を図ったターゲット別のプロモーションなどの施策により、市場の活性化が期待される。ヨーグルトの健康訴求がメディアを通して消費者に根付き、また、乳酸菌含有食品の種類が増える中、その代表格としての認知度が向上していることも需要増加の追い風として期待される。

 炭酸飲料は、無糖炭酸系が伸びているものの、有糖炭酸は特に原料価格の高い果汁系炭酸の苦戦が続いたため、2016年以降は市場縮小が続いた。2018年は猛暑による需要増加で2017年比プラスとなったが、2019年は上位メーカーの大容量サイズ商品の価格改定や、7月の天候不順により各メーカーが需要期に販売を落としたため、市場は2018年比1.6%減が見込まれる。2020年は、前年の天候不順による大幅減の反動から各メーカーの売上は2019年比プラスが期待されるほか、市場をけん引している無糖炭酸では「ウィルキンソン」(アサヒ飲料)の好調が継続するとみられる。東京五輪のパートナー企業であるコカ・コーラシステムの販促の活発化、訪日外国人の増加によるインバウンド需要なども期待され、中長期的には継続した伸びは難しいものの、一時的な市場拡大が予想される。

 タピオカドリンクは、タピオカを含有するドリンクを対象とし、ティースタンドカフェなど店舗で提供されている商品は含まない。台湾カフェをきっかけに2017年頃からタピオカミルクティーが日本でもブームとなり、タピオカドリンクもCVSを中心に展開され市場は急拡大している。2019年は参入メーカーの増加や、ミルクティーだけでなく他のフレーバーも加わったことなどから大幅な伸びが予想される。タピオカドリンクのフレーバーの内訳は、カフェラテや抹茶ミルクなどをベースとした商品が投入されているものの、イメージが定着しているためミルクティーが大部分を占めている。一方、果汁をベースとした商品なども多く登場しており、限定的であるが伸びている。ティースタンドカフェなどで提供されている商品と比べ安価で手軽に購入できることや、専門店へ行かなくても本格的なタピオカが味わうことができる。また、飲み歩きをするユーザーが多いためパッケージデザインへのこだわりや、デザインと合わせて新しいフレーバーを投入しSNSを利用した販促展開も図られていることから、今後様々なシーンで飲用機会の増加が期待される。現在のメインユーザーは女性であるが、さらなる市場拡大のためには男性など新たなユーザー層の獲得が必要であるとみられる。

 ノンカフェイン・デカフェは、ノンカフェインやデカフェのリキッド商品を対象とする。妊婦や子ども、病気や体質によりカフェインの摂取を控えなければいけない層の需要を取り込んでいる。無糖茶飲料が市場の80%以上を占める。当初はブレンドティが大半を占めていたが、近年は麦茶の伸びが続いている。麦茶は猛暑対策などで夏場の需要が増えているほか、冬場でも乾燥対策としての訴求が奏効し、現在はブレンドティと同等の販売規模となっている。また、小規模ではあるがルイボスティーやジャスミンティーなども女性を中心に需要が増えている。コーヒーでも、2010年頃からカフェインレスを意識した商品開発が進み、2015年頃からは“デカフェ”という表現が使われるようになり、美容や健康に気を遣う女性や妊婦などの一定の需要を取り込んでいる。“デカフェ”という表現の使用が広まったことにより、カフェインの含有率を気にする消費者の増加や、質の良い睡眠や体調管理への関心の高まりから、ノンカフェイン・デカフェ商品の需要増加を受け、麦茶など元々カフェインを含まない商品でもノンカフェインを訴求した健康イメージ向上が図られている。

[小売価格]
書籍版:15万円
PDF+データ版:16万円
書籍/PDF+データ版セット:18万円
ネットワークパッケージ版:30万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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