データ・リポート

富士経済、アルコール飲料や冷凍・チルド食品など加工食品68品目の市場調査、2024年市場予測では高アルコールRTDが3219億円に

2019.12.25 12:42 更新

 富士経済は、飲みごたえ感から近年高アルコールRTDが二桁伸長しているアルコール飲料や、調理の手軽さから冷凍ギョーザの伸びが目立つ冷凍調理済食品などの市場を調査した。その結果、2024年市場予測(2018年比)では、“STRONG”商品として認知が進み、各社が相次いで新商品を発売し、市場が拡大し、高アルコールRTDが3219億円(85.9%増)に達する見通しだ。調理の簡便化が進んだほか、各社が新規顧客の開拓、喫食シーンの拡大に注力し、伸長が見込まれる冷凍ギョーザが580億円(15.1%増)に達すると予測する。

 今回の調査では、冷凍調理済食品24品目、チルド調理済食品6品目、その他調理済食品5品目、アルコール飲料33品目、合計4カテゴリー68品目の市場を捉え、その結果を「2020年 食品マーケティング便覧No.2」にまとめた。

 RTDは、主にアルコール度数10%未満でそのまま割らずに飲用できるアルコール飲料を対象とする。なお、高アルコールRTDはアルコール度数が7%以上の商品を対象とする。

 RTDは焼酎やウォッカをベースとするチューハイが中心で、値ごろ感に加えフレーバーやアルコール度数の多様性が支持されている。ビールなど他のアルコール飲料から需要がシフトしており、市場は好調に推移している。近年は高アルコールタイプやハイボール缶の需要が増加しており、各社の注力度が増している。

 特に高アルコールRTDはアルコール度数が5~6%のスタンダードタイプと比較して飲みごたえや同じ量で酔いやすいというコストパフォーマンスの高さが支持され、需要が増加している。近年は”STRONG”商品として認知が進み、各社が相次いで新ブランドを発売するなど、二桁の伸長が続いている。今後も節約志向の高まりやビール類と比べた際の値ごろ感から需要は増加するとみられる。

 冷凍ギョーザは水なし・油なしで調理可能な商品だけでなく、フタなしで調理可能な商品も発売され、簡便性が高まっているほか、各社が新規顧客の開拓、家庭以外での喫食シーンの拡大に注力しており、市場は伸びている。2019年は味の素冷凍食品が業務用において、量販店総菜以外にも外食やレジャー施設でのシーン開拓に努めているほか、イートアンドが市販用において新商品の発売やレシピの提案を行うなど、引き続き拡大が見込まれる。

 チルドハンバーグは内食需要の増加を背景に簡便性の高い電子レンジ調理対応商品が好調に推移し、夕食向けの需要獲得のためプレミアムタイプ商品の導入が進んだことで伸長してきた。2018年は夕食での需要が増加し、各社が展開するチーズ入り商品が好調だったほか、マスメディアに特集されたことで需要喚起につながったことから市場は拡大した。2019年も引き続き伸長が見込まれる。今後も冷凍ハンバーグからのシフトや夕食での需要が増加し、市場は堅調に拡大していくとみられる。

 国産新ジャンル風味アルコール飲料は、ビール風味でありながら酒税法上、リキュール(発泡性)、その他醸造酒(発泡性)に分類される商品を対象とする。

 国産新ジャンル風味アルコール飲料は消費者の低価格志向を受けてビールや発泡酒の需要を取り込んだが、2014年以降、市場は微減で推移してきた。2018年はキリンビールの「本麒麟」がヒットしたほか、PBで新規採用されるなど市場が拡大に転じた。2019年は「本麒麟」の好調が続いており、他社からも相次いで商品が発売されたことで売り場面積の広がりがみられ、引き続き伸長が見込まれる。しかし、2020年以降は酒税の段階的な改定により国産ビールなどとの価格差が縮まるため、市場は縮小していくとみられる。  冷凍調理済食品では、冷凍ギョーザや冷凍シューマイがそれぞれフタなしでの調理、自然解凍仕様など調理の簡便性を訴求した商品の好調で伸長している。魚介類の価格高騰を背景に、冷凍水産フライなど伸び悩む品目がみられるものの、全体では市場は緩やかに拡大していくとみられる。

 チルド調理済食品では、チルド茶わんむしやチルドグラタン類は縮小しているが、チルドハンバーグ、チルドギョーザは調理時間の短縮や夕食需要の開拓などにより伸長している。

 その他調理済食品では、卵焼き類が人手不足などを背景とした調理軽減ニーズの高まりを受け、業務用を中心に伸長しているものの、ほかの品目は減少しており、2017年以降市場は縮小している。

 アルコール飲料では、ウイスキーがハイボール需要の高まりにより海外ブランドを中心に好調に推移しているほか、RTDはストロングタイプのチューハイやハイボール缶がけん引し、伸長している。ビール類はRTDなどに需要がシフトしているほか、改正酒税法の影響により低迷が続いている。清酒はメインユーザーの高齢化で大容量パック商品の需要が減少しているが、参入各社が若年層や女性をターゲットにした商品で市場の活性化に取り組んでいる。ウイスキーやRTD、地ビールなど好調な品目もあるものの、全体としては緩やかに縮小していくとみられる。

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


このページの先頭へ