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矢野経済研究所、国内のアトピー性皮膚炎治療薬市場調査、2019年は約400億円の見込、患者数が横ばいから増加傾向の見通し

2019.12.27 14:16 更新

 矢野経済研究所は、国内のアトピー性皮膚炎治療薬市場を調査し、市場動向、治療満足度、将来展望を明らかにした。その結果、2019年の国内アトピー性皮膚炎治療薬市場は約400億円の見込であることがわかった。その理由として、患者数が横ばいから増加傾向の見通しで、発売2年目に入り浸透度を深めた「デュプリマブ」が貢献した。

 国内のアトピー性皮膚炎患者(通院者)数を、各種統計をもとに約137万人と推計した。アトピー性皮膚炎の治療に用いられる薬剤には、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏、非ステロイド性抗消炎薬(NSAIDs)などの抗炎症外用薬、抗ヒスタミン薬、シクロスポリン、ステロイド内服薬、漢方薬などの内服薬、注射薬のデュピクセント(デュピルマブ)などがある。今年におけるアトピー性皮膚炎治療薬(保湿薬を除く)の市場規模は、実売ベースで約400億円に達する見込みである。

 ステロイド外用薬は、アトピー性皮膚炎治療薬の基本としてこれまで広く使用されてきたが、古い薬剤であり薬価が安く設定されているため、数量と比較して金額ベースでの市場規模は小さい。

 抗ヒスタミン薬は外用薬と併用される比率が高く、治療薬の種類別では市場規模が最も大きい。シクロスポリンは使用比率が低い他、1回の治療期間が12週間以内を目安とされているが、比較的高薬価に設定されているため、市場規模ではステロイド外用薬やタクロリムスを上回る。

 2018年4月に発売された、サノフィのデュピクセント(一般名:デュピルマブ)は、発売2年目に入り徐々に浸透度を深めていることで、アトピー性皮膚炎治療薬市場の規模拡大の大きな要因となっている。市場規模では、抗ヒスタミン薬に次いで大きい。

 国内のアトピー性皮膚炎治療薬(保湿薬を除く)の市場規模は、患者数が横ばいから増加傾向で推移する見通しの他、デュピクセント(デュピルマブ)のさらなる市場浸透、開発中の新薬の発売などにより拡大が見込まれる。

 アトピー性皮膚炎治療薬は、外用薬や経口薬、注射薬とも既存薬の数が限定されており、既存薬では十分な効果が得られなかったり、副作用の発生などにより使用できない場合もあり、治療満足度は必ずしも高いとはいえない。また、薬剤によっては高価格を理由に使用を断念する場合もある。

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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