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矢野経済研究所、2018年度の国内メディカル給食・在宅配食サービス市場調査、前年度比100.8%の2兆2589億円に

2019.08.28 10:12 更新

 矢野経済研究所は、国内のメディカル給食・在宅配食サービス市場を調査し、病院給食・高齢者施設給食・在宅配食サービスの市場動向、参入企業の動向、市場展望を明らかにした。その結果、2018年度におけるメディカル給食・在宅配食サービスの市場規模は、前年度比100.8%の2兆2589億円を見込む。メディカル給食は外部委託が進み、在宅高齢者の増加で在宅配食サービスは市場が拡大するとみられる。

 拡大を続けてきた病院給食(入院患者・病院職員の給食)、高齢者施設給食(入所高齢者・施設職員の給食)の市場は、前者は病院の統廃合や閉鎖、診療所の無床化が進み、病床数減少等で微減傾向が続き、後者は施設の新設で市場が拡大しているものの、食費の自己負担化によって伸び率は漸進的となった。また、在宅配食サービスは堅調に推移している。

 2018年度の国内メディカル給食・在宅配食サービスの市場規模(末端売上高ベース)は、前年度比100.8%の2兆2589億円となった。病院給食の減少分を、高齢者施設給食と1300億円ほどの規模に成長した在宅配食サービスがカバーし、市場規模は微増で推移した。

 昨今の人手不足は、365日毎日3回の食事を提供するメディカル給食分野でとくに深刻で、現場調理の省力化、食中毒の発生しない安全性向上への取り組みが急がれている。CK(セントラルキッチン)による新調理システムの活用は、省力化や安全性向上に加え、現場での職人的な調理技術が減らせ、誰でも標準的な食事を提供できる点で評価されている。

 1996年の医療法改正によって、病院外の調理加工施設を使用して調理を行う院外調理(CK/SK(サテライトキッチン)方式など)が認められた。その後、コスト面や調理技術面、メニュー面などの制約から、メディカル給食におけるCK化は一向に進展しない時期が続いた。しかし、ここに来て、上記の市場背景や理由から、再度CK方式が注目を集めている。

 また、外部企業によるCK事業も活発であり、クックチル、クックフローズン等で完調品(完全調理済食品)を提供しており、高齢者施設の朝食需要に始まり、デイサービスの昼食など様々な施設で需要が旺盛である。

 メディカル給食は今後も、病院の統廃合や閉鎖、診療所の無床化が進み、病院給食市場は伸び悩む一方で、高齢者施設給食市場は引き続き拡大する見込みだが、食事費の自己負担化によって、その伸び率は漸進的にならざるを得ない。ただ、有料老人ホーム数の増加が市場の追い風になることは間違いない。また、在宅高齢者の増加から、在宅配食サービス市場は今後も着実に拡大すると予測するが、特に民間サービスが市場を牽引する見込みである。

 メディカル給食・在宅配食サービス市場規模(末端売上高ベース)は、増加と減少要因の相殺の中で微増傾向が続き、2023年度には2兆3777億円になると予測する。引き続き、病院給食の比率が低下し、高齢者施設給食と在宅配食サービスの比率が高まる見通しである。

矢野経済研究所=http://www.yano.co.jp/


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