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CBRE、2021年のホテルマーケット展望、今後3年間でホテル客室数は日本の主要9都市全体で24%増加

2019.06.11 15:15 更新

 CBREは、特別レポート「2021年のホテルマーケット展望-増加する需要と供給の中で勝ち残るホテル」を発表した。同レポートは、最新の供給動向を踏まえた日本のホテル市場の見通しについてまとめたもの。その結果、今後3年間でホテル客室数は日本の主要9都市全体で24%増加し、ストック超過も需要回帰の可能性が示唆された。

 訪日外客数の増加を受け外国人宿泊需要も増加している。2018年の外国人延べ宿泊者数(延べ宿泊者数:各日の宿泊者数を足し合わせた数。仮に二人組の旅行者が7日間宿泊した場合は、2人×7日=14人となる)は対前年比11.2%増(約900万人泊増)の8859万人泊となった。一方、日本人は海外への旅行が増加したこともあり、日本国内での延べ宿泊者数は対前年比2.2%減(約900万人泊減)の4.2億人泊となった。国内での日本人宿泊需要の減少分を、ほぼ外国人宿泊需要の増加分で埋め戻す結果となった。

 インバウンド需要の拡大が今後も継続して見込まれることを背景に、全国各地でホテルの開業が相次いでいる。主要9都市における2019~2021年に開業予定のホテルの客室数も、この1年の間に約3万室から2.5倍の約8万室に増加した。あらたに供給される客室数は2018年末時点の既存ストックの24%に相当する。既存ストックに対する供給客室数の割合を都市別に見ると、京都が最も高い51%、次いで大阪の32%、東京が24%と続く結果となった。

 政府は訪日外客数の目標を2020年に4000万人、2030年に6000万人と定めている。宿泊需要について、外国人は政府目標が達成されることを前提とし、また、日本人の宿泊需要については将来の人口減少を考慮して推計したところ、主要9都市でそれぞれ、2021年の必要客室数(=需要)が予想ストック(=供給)を下回る結果となった。

 今後、さらにストックが増加すれば、あらゆるホテルがインバウンド需要拡大の恩恵にあずかれるわけではなくなる。単純な価格競争を避け、誘客力の強いホテルを作るためには、より細やかな立地戦略、ターゲットとする客層に合わせたハードの変化といった差別化が鍵となってくる。また、CBREが把握している主要9都市の新規供給の87%は宿泊主体型(宿泊主体型ホテル:宿泊機能以外の付帯施設を限定、または最小限にした、宿泊を主体としたホテルおよび宿泊に特化したホテル)のホテルとなり、フルサービスホテル(フルサービスホテル:レストラン、バンケット、フィットネス、スパ、ドアマン、ベルボーイ、コンシェルジュなどの多彩な施設とサービスを提供するホテル。その多くはアッパークラスに属する)は5%に過ぎないというデータがある。不足しているアッパークラス以上のホテルや、多様化した旅行者のニーズに応えられるブティック・ライフスタイルホテルといったホテルカテゴリも、質の高い体験を得られるホテルとして誘客力を発揮することが期待されている。

シービーアールイー=https://www.cbre.co.jp/ja-jp


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