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矢野経済研究所、国内理美容市場調査、2018年度は前年度比99.6%の2兆1382億円に、業界の全体的な価格改訂や店販・メニュー提案等を推進するも市場は微減で推移

2019.06.27 12:39 更新

 矢野経済研究所は、国内理美容市場を調査し、都道府県別や施術別の動向、参入企業動向、また、将来展望を明らかにした。その結果、2018年度の理美容市場は前年度比99.6%の2兆1382億円に達した。業界の全体的な価格改訂、店販・メニュー提案等を推進するも市場は微減で推移している。

 2018年度の理美容市場規模は事業者売上高ベースで、前年度比99.6%の2兆1382億円であった。理容市場は若年男性を中心とした美容室需要や、低価格理容チェーンの利用が進み、ヘアカットなどに特化した実利的な施術メニューを重視する傾向が強まっている。

 美容市場は付加価値型サロンと施術メニューやサービスを特化した低価格サロンチェーンの2極分化が進行している。基本に立ち返り、技術や施術サービスのみならず、接客全体に磨きをかけることで、付加価値に見合った適切な価格設定に回帰するサロンもある。また他の美容サービスとの協業を図り、相互の集客を促すなどの動きも進んでいる。このほか、生産性向上の観点から、客単価アップのための強化策として、ヘアケアを中心とした店舗での物品販売を推進していることなどから、市場規模は前年並みで推移している。

 理美容業界では、ここ数年来カラー専門の施術サービスを行う「カラー専門店」の増加が顕著である。市販のヘアカラー剤と同程度の低価格ではあるが、仕上がりは専門のカラーリストによる施術を実現している店舗であり、低価格志向で一定以上の仕上がりを求める顧客層を中心に全国的な動きとして注目されている。大手や中堅の美容サロン運営企業のみならず、外食大手が出資する異業種企業による参入もあり、全国、または地域的なフランチャイズチェーン展開により拡大を図っている。

 また、こうした参入企業に対し商材やノウハウを供給することで、業務用化粧品メーカーや美容ディーラー、経営指導を行うヘアカラーコンサルタント企業も業容を拡大させている。

 実利的なカラー需要を重視する顧客層の増加を背景に、こうしたカラー専門業態も出現している一方、カット専門サロンチェーンと同様に、地域の個人サロンとして施術サービスを提供する同業者への脅威にもなっている。

 2019年度の理美容市場規模は事業者売上高ベースで、前年度比99.5%の2兆1279億円、このうち、理容市場は同99.4%の6295億円、美容市場は同99.6%の1兆4984億円を予測する。

 理美容市場全体では、概して来店顧客の消費意欲が本格的に改善されないまま、2019年10月に消費税率引き上げが予定されている。そのため、顧客サイドでは来店サイクルの長期化に加え、施術メニューの費用対効果に対する冷静な見方が今まで以上に顕在化するものとみる。

 また、理美容室における人材への投資や育成を通じて、個々の顧客との関係を構築したワントゥーワンマーケティングに基づく店販強化、付加価値の高いサービス提供による価格改定や施術メニューの複合化によるサービス提供など、客単価上昇につながる施策も引き続き業界の取り組む課題であるものと考える。

矢野経済研究所=http://www.yano.co.jp/


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