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JTB、年末年始(12月23日~1月3日)に1泊以上の旅行に出かける人の旅行動向見通し、海外旅行人数は過去最高の73.4万人

2018.12.07 10:09 更新

 JTBは、年末年始に出発日基準で12月23日~来年1月3日に1泊以上の旅行に出かける人の旅行動向の見通しをまとめた。その結果、旅行への意欲は高く、総旅行人数も過去最高となり、海外旅行人数は過去最高の73.4万人に達する見通しだ。国内旅行人数も前年比1.1%増の2989.4万人に達するものと見込まれる。

 この調査は、旅行動向アンケート、経済動向、業界動向や航空会社の予約状況、JTBグループの販売状況などから推計したもので、1969年に調査を開始して以来、今年で50回目となる。

 年末年始の旅行に影響する今冬のボーナスは、前年比3.5%増加し、2年ぶりに前年を上回り、過去最高が見込まれている(11月16日、日本経済団体連合会発表)。また、上場企業の9月中間決算は、過去最高を更新する企業が相次いだ。しかしながら、米中貿易摩擦への懸念などから、来年3月期の業績については慎重な見通しが目立っている。豪雨や地震の影響で、7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比0.3%減少し、2四半期ぶりにマイナスとなったが、11月の内閣府「景気ウォッチャー調査」によれば、10月の現状判断DI(クシー運転手、小売店の店長など景気に敏感な人への調査結果を指数(DI)化したもの)は、前月差0.9ポイント上昇の49.5で、景気ウォッチャーによる見方は「緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、コストの上昇、通商問題の動向等に対する懸念もある一方、年末商戦等への期待がみられる」となっている。ここ1ヵ月の株価は、概ね2万2000円前後で推移し、為替レートは、対ドル、対ユーロについては年初以来小幅に変動している。

 今年の年末年始の休暇は、暦通りならば、12月29日から来年1月3日の6日間だが、来年1月4日を休めば9連休が可能となる。メーカーなどでは来年1月4日を休みにする企業もあり、例年より長い休暇が旅行喚起につながりそうだ。さらに今年は12月22日~12月24日のクリスマス3連休もあり、この時期に旅行をする人も増えると考えられる。JTBが毎年実施している年末年始の旅行に関するアンケートで「昨年と今年の年末年始の違い」を聞いたところ、「昨年より長く休みがとれそうだ」は、10.4%(昨年差+6.2ポイント)と前年より増加し、「昨年より休みが取れそうにない」は、2.2%(同-2.0ポイント)だった。

 収入に関しては、「昨年より収入が増えた」は13.7%(同+1.7ポイント)で、「昨年より収入が減った」は8.7%(同+0.3ポイント)だった。一方、「昨年よりお金をかけずに質素に過ごす予定」は5.5%(同-1.1ポイント)で、「昨年よりお金をかけて豪華に過ごす予定」は、4.9%(同-5.3ポイント)で、「豪華に過ごす」は大きく減少している。今後一年間の旅行支出に対する意向を聞いたところ、「支出を増やしたい(15.1%)」は前年より1.9ポイント増加し、「支出を減らしたい(24.1%)」は、3.8ポイント減少した。「同程度(55.6%)」(「単価を減らし回数を増やす(8.8%)」「単価を増やし回数を減らす(5.4%)」「単価も回数も同程度(41.4%)」の合算)は前年より1.7ポイント増加している。今年の年末年始の旅行については、足元の景気は改善され、為替や株価も比較的安定し、日並びもよく、旅行に行きやすい環境と考えられる。またアンケートからも、収入は増え、支出に対する意向も前向きとであると見られる。

 今年の年末年始の海外旅行人数は73.4万人で、過去最高になると予測する。昨年の海外旅行者数は1789万人と過去2番目の数字となった。今年1月~10月までの累計も対前年比5.2%増の1565万人で推移しており(日本政府観光局11月発表)、年末にかけても好調に推移すると見られ、このまま行けば過去最高だった2012年の1849万人を超える可能性も考えられる。燃油サーチャージは、昨年2月に復活し、今年8月に値上がりしているが、12月~1月の発券については据え置きとなっている。8月以降も海外旅行者数に影響が出ていないことから年末年始の旅行についても影響は少ないとみられる。為替レートはほぼ前年並で推移している。海外旅行平均費用については、燃油サーチャージの上昇と、長い休みを利用してヨーロッパなどの遠距離の旅行に行く人も多いと思われることから、21万4000円(前年比+3.9%)と予測する。出発日のピークは、12月29日、30日となるが、近場のアジアを中心に年始の1月2日、3日の出発も多くなっている。方面別の旅行人数予測では、サイパンへの減便が続きグアム・サイパンが減少、韓国や香港、欧州が前年より5ポイント以上増加となっている。

 JTBの海外パッケージツアー「ルックJTB」の予約状況を見ると、ハワイや韓国などでは、年末の出発に加えて、1月2日以降の出発も多く、料金の下がる時期を選んで旅行する人も多そうだ。ヨーロッパ方面は引き続き好調で特に北欧などが人気となっている。アジア方面では、香港・マカオやベトナムが人気となっている。香港・マカオは、10月に香港・マカオ間を陸路でつなぐ「港珠澳大橋」が完成したこともあって注目度が高く、ベトナムは、ベトナム航空が10月から関西空港からリゾート地ダナンへ就航し、福岡空港~ハノイ線が週4便から毎日運航になるなど新しい旅行先への就航や運航便数の増加が続いている。

 宿泊旅行統計調査によれば、今年の1月~9月の日本人の述べ宿泊者数は、6月末からの豪雨や地震の影響もあり、前年より3%減少しているが、9月単月の速報値では、3649万人泊となり、前年同月比0.7%増と回復の兆しが見えている。今年の年末年始は、全体としては休みがとりやすく、ボーナスも増加傾向にあることから、年内や正月明けに旅行したり少し長めの旅行をしたりする人も増えそうだ。この間の国内旅行人数は2989.4万人(前年比+1.1%)、国内旅行平均費用は3万3000円(前年比+3.4%)と予測する。同アンケートによると、旅行日数は、昨年より「2泊3日」が減少し、「3泊4日」や「5泊6日」が増加し、長めの旅行をする人が増えそうだ。利用宿泊施設では、「夫や妻の実家」が減少する一方、「ホテル」が30.6%(昨年差+2.2ポイント)、「旅館」が15.6%(同+0.4ポイント)と増加し、今年は実家以外に泊まる旅行も多そうだ。利用交通機関については、「乗用車」は65.9%と最も多いですが、ガソリンの価格が昨年と比較して上昇しているため、昨年から3.1ポイント減少している。「高速/長距離バス」は7.5%(同+4.3ポイント)、「格安航空会社(LCC)」は1.7%(同+0.5ポイント)とのこと。また鉄道は、「高速/長距離バス」に続いて「JR新幹線」が19.1%(同+2.6ポイント)と増加している。旅行先では、「近畿」「北海道」と回答した人が昨年より増えている。

 JTBの宿泊や国内企画商品の予約状況をみると、クリスマス3連休や年内の平日では、沖縄のビーチリゾートや東京ディズニーリゾート、軽井沢などが人気となっている。関東近辺の温泉では料金の下がる1月4日以降の予約も多くなっている。JTB総合研究所が行ったインターネット調査で、今年の年末年始に出かける場所としてどのような場所が気になっているかを聞いてみた。すべての年代で、「食をメインにしたイベント」が最も多くなった。「温泉」は比較的年齢の高い層に多く、「テーマパーク」は若者が多くなっている。

[生活者アンケート調査方法]
調査地点:全国200地点、各層に比例配分
調査実施期間:2018年11月1日~11月13日
調査対象:全国15歳以上79歳までの男女個人
サンプル数:1200名(1地点6名×200地点)
調査内容:2018年12月23日から2019年1月3日に実施する1泊以上の旅行
調査方法:専属調査員による個別訪問調査(100%回収)

JTB=https://www.jtb.co.jp/


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