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矢野経済研究所、国内理美容市場を調査、2017年度は前年度比99.5%の2兆1474億円と微減推移

2018.05.16 15:35 更新

 矢野経済研究所は、国内理美容市場を調査し、都道府県別や施術別の動向、参入企業動向、また将来展望を明らかにした。その結果、2017年度の理美容市場は前年度比99.5%の2兆1474億円と微減推移であることがわかった。今後は店販強化や業態特化型サロンなどの生産性向上施策の取組みが進行するとみられる。

 2017年度の理美容市場規模は事業者売上高ベースで、前年度比99.5%の2兆1474億円であった。理容市場は、店舗数減少、顧客の高齢化や来店サイクルの長期化、低価格サロンチェーン台頭に加え、美容室に需要が移行していることから市場は微減にとどまった。

 美容市場は、技術やサービス、空間が醸し出す非日常化など「コト」を提供する付加価値型サロンと、施術メニューやサービスを限定した低価格サロンチェーンの2極分化が進行している。また、2極化の間にある中間ゾーンに位置する美容室では、付加価値のあるサービス提供を基本とするものの、集客のための差別化が課題になっている。その他、生産性を向上し、客単価アップにつなげるための店販事業強化策として、ヘアケアや美容家電等の物販販売を強化していることから、市場規模は微減で推移している。

 美容サロン業界のサービスの基礎となる人材不足が深刻化している。美容専門学校の入学者の定員割れや、美容サロン就職からの短期離職、就職先としての他業界・業種への移行も顕在化している。そのため、美容サロンチェーン各社では、労働環境やキャリアプランの整備と、体系的な人材育成・昇給システムを導入している。また、正規採用にこだわらず、女性や主婦層、その他休眠美容師を対象に時短やパート勤務といったフレキシブルな変則労働時間を導入し、事業活動の継続的発展と、店舗マネジメントの効率化に取り組んでいる。

 2018年度の理美容市場規模は事業者売上高ベースで、前年度比99.6%の2兆1384億円、そのうち、理容市場が6335億円(前年度比99.4%)、美容市場が1兆5049億円(前年度比99.6%)を予測する。

 理美容市場全体では、来店客の節約志向が緩やかながら回復に向かっており、今後も消費支出の拡大が期待される。少子高齢化等による来店人口全体が縮小基調に進んでいる構造的な問題のあるなか、顧客の来店サイクルの長期化、総体的な低価格志向を勘案し、中高価格帯の付加価値型サロンでは値上げ派と値下げ派の2極化が進行すると考える。

 付加価値の高いサービスを提供する美容サロンでは個々の顧客との関係を構築したワントゥーワンマーケティングに基づく店販強化や、施術メニューを複合化して提供するなど客単価の上昇への取り組みを進めている。一方で、生産性向上の改善などの実績のある店舗の検証や成功事例と失敗事例等のデータ化などを通じた業務改善なども業界全体の取り組む課題となっている。

矢野経済研究所=http://www.yano.co.jp


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