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日本臨床検査薬協会、臨床検査に関する意識調査、健康診断を「受けてよかった」が半数以上を占めるも「検査結果を理解できた」は3割未満にとどまる

2017.03.15 13:53 更新

 一般社団法人日本臨床検査薬協会は、臨床検査に対する国民の認知状況を知るため、2月17日から2月20日の期間で、全国の20代~60代の男女1000人を対象に「臨床検査に関する全国意識調査」(インターネット調査)を実施した。集計の結果、臨床検査について「知っている」21.1%、「名前を聞いたことがあるが、内容までは知らない」47.6%を合わせて、認知している人の割合は68.7%となった。しかし、自身が受けた検査結果について「理解できた」の回答は28.0%と低く、とくに若い年代で検査結果を理解できていない人が多いことが明らかになった。臨床検査に期待するサービスでは、検査結果のデータ提供や、結果の見方の指導、生活改善アドバイスなど、検査結果を健康管理に活かせる事後サポートに対する期待が高いことがわかった。

 今回の調査によると、まず、臨床検査の認知度は、全体では「知っている」21.1%となり、昨年度の調査結果(19.7%)とほぼ同じ結果となった。性別で見ると「知っている」の割合が男性24.4%、女性17.8%と、女性よりも男性の方が認知していることがわかった。関心のある検査を聞いたところ、回答の多い順に「健康状態の把握」58.5%、「病気の早期発見」52.4%、「がん検診」41.6%となった。20代では4割近くが「臨床検査に関心はない」と回答し、若い年代では臨床検査への関心度が低い結果となった。

 次に、生活者にとって身近な臨床検査の機会である健康診断について聞いた。健康診断を受けてよかったと感じた経験が「ある」が52.5%と半数以上にのぼった。また、年代が上がるほど、健康診断を受けてよかったと感じた経験のある人の割合が多くなった。具体的には、病気の早期発見・早期治療ができた、病気になる危険性がわかり生活習慣を改善できた、など健康診断を受けて早く病気に対処ができた経験が多く挙げられた。この他、自身の状態に応じたアドバイスをもらえたことがよかったという人も多く、検査結果を健康管理に活かせる提案が受診者の満足につながることがわかる。異常がないことがわかって安心したという意見も多く、健康診断は自身の健康に関する不安を解消し、健康を維持しようという動機付けの効果があるようだ。

 健康診断を受けずに後悔した経験のある人は4.4%となった。経験としては、病気の発見が遅れたため負担のかかる治療が必要になってしまったという意見が多く挙げられた。また、健康診断を受けないと不安、という人も多かった。不要な心配をしないためにも、定期的に検査をして自身の健康状態を知ることが重要といえよう。

 検査の結果を受けて、取り組んだ生活改善は「定期的に運動をする」29.3%、「塩分を控える」23.2%、「糖質を控える」「脂質を控える」21.5%が上位となった。「生活改善に取り組んでいない」は、若い年代ほど多い結果となった。60代では「生活改善に取り組んでいない」が28.5%で7割以上の人が検査結果から生活改善し、病気予防や健康維持に活かしていることが読み取れる。

 臨床検査について知りたいことの上位3項目は「検査の費用」54.4%、「検査の方法」45.1%、「検査結果の評価方法(異常値・正常値などの結果の見方)」42.9%となった。検査を受けるにあたってかかる費用やその方法のほか、検査結果が出た後で結果をどのようにとらえたらよいのか、結果の見方を知りたいという人も多くいることがわかった。性別で回答割合に差があった項目は「検査によるリスク(痛み・副作用など)」や「検査費用」で、男性よりも女性のほうが、検査によるリスクや検査費用について知りたいと考えている人が多いことが明らかとなった。

 臨床検査を受けた際、検査の内容や結果について医師から説明があったかを聞いたところ、「必ず説明してくれた」22.0%、「多少説明してくれた」37.6%と、約6割は「説明してくれた」となった。しかし、4割以上が「説明してくれなかった」と回答し、検査に対し疑問や不安が残りうる状況があることがわかった。検査結果を理解できたか聞いたところ、「理解できた」が全体で28.0%と、十分理解できている人は3割に満たないことが明らかになった。若い世代ほど「理解できなかった」の割合が多くなっている。

 臨床検査に関して行ったことのあるものを聞いたところ、最も回答が多いのは「臨床検査に関して行ったものはない」62.6%で、6割以上は臨床検査に関して自らアクションを起こしたことはないという結果になった。行ったことのあるものとして最も回答が多いのは「検査結果について医師などに質問した」23.0%となった。

 臨床検査に期待するサービスは1位「検査結果をデータでもらえる」55.5%となった。検査データの提供を希望する人が多いようだ。自宅でデータ管理することで、経年変化や経過を観察したいニーズがあると思われる。2位は「検査結果の見方を教えてくれる」47.3%、3位は「検査結果に応じた生活改善メニューを提案してくれる」30.8%となり、受診者が検査結果を活用できるような事後サポートに期待が寄せられる結果となった。4位は「病院が変わっても再度検査の必要がないこと」30.7%となり、病院が変わった際に再度検査をする負担の軽減が期待されている。5位「同年代の平均と比較して健康度を示してくれる」29.9%は全年代でほぼ同じ割合であり、どの年代も、他の人と比べて自身の健康度がどれほどかを気にかけていると考えられる。数値による判定とは別に、同年代平均との比較を通知することで、受診者の健康意識がより高まったり、臨床検査に対する満足度が上がったりする可能性がありそうだ。

 日本臨床検査薬協会では、今回の調査結果を参考に、多くの国民に「臨床検査の意義や価値」などの情報を提供していく活動を行い、医療福祉に貢献していく考え。

[調査概要]
調査対象者:全国の20歳~69歳の男女
有効回答数:1000サンプル(各性年代100人)
調査期間:2017年2月17日(金)~2月20日(月)
調査方法:インターネット調査

一般社団法人日本臨床検査薬協会=http://www.jacr.or.jp/


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