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アサヒ、パナソニックと「高濃度セルロースファイバー成形材料」活用のビール用カップ「森のタンブラー」を共同開発

2019.07.09 20:45 更新

 アサヒビールは、パナソニックと「高濃度セルロースファイバー成形材料」を活用した、世界初(同社調べ)のビール用カップ「森のタンブラー」を共同開発した。屋外におけるイベントや店頭での持ち帰り用のビール類の提供を想定し、8月9日からテスト展開を開始する。

 「高濃度セルロースファイバー成形材料」は、パナソニックが独自に開発したナノ~マイクロに微細化されたパルプ成分を55%以上含有する新開発の樹脂。同社独自の金型・樹脂成形技術によって、独特の風合いと強度を実現できる。パナソニックが受託した環境省の委託業務(平成27年度~平成29年度セルロースナノファイバー製品製造工程におけるCO2排出削減に関する技術開発)で得られた成果を活用している。

 「森のタンブラー」は、高い形状自由度とリユース可能な強度を実現するとともに、画像や文字を自由にデザインすることができるため、各種イベント等においてノベルティ・記念品としての活用も期待される。また、カップ表面にセルロース繊維由来の細かな凹凸を施すことで、ビール類の持続性のあるきめ細かな泡をつくりだす特長があるという。

 「高濃度セルロースファイバー成形材料」は、間伐材などの木材から精製したパルプを主原料としているため、自然由来の木の風合いを楽しめるとのこと。また、カップ成形時の温度条件によって色目が変化するため、6種類の中から希望の色目を選択できる。廃棄する際にも紙製品(可燃物(自治体の分別排出ルールに従ってほしいとのこと))として分類することができ、プラスチックごみの低減にも貢献する環境にやさしい素材となっている。

 ここ数年、環境負荷低減に関する意識の高まりから、テーマパークやコンサート、スポーツ観戦の会場においてリユース可能な容器の普及が進んでいる。イベントを記念したデザインやアーティスト、選手の画像をデザインし、付加価値を高めることで記念品として持ち帰り需要が生まれている。

 8月9日と8月16日、9月には、小湊鉄道株式会社が運行するSATOYAMAトロッコ「涼風ビール列車」(オープンビアガーデン)において、森のタンブラーで「アサヒスーパードライ」の生ビールを提供する。提供した森のタンブラーは、記念にお持ち帰りいただけます。

 8月18日には、パナソニックスタジアムで行うガンバ大阪対ジュビロ磐田戦の開催前イベントにおいて、「森のタンブラー」とともに「アサヒスーパードライ」の生ビールを販売する。

 加えて、10月4日~6日には、つくばセンター広場(茨城県つくば市)にて開催される「つくばクラフトビアフェスト2019」において、オリジナルデザインの「森のタンブラー」が5000個採用される。

 これらの取組みを通じて、会場内でのリユースや記念に持ち帰ることができるカップとして使用してもらい、プラスチックごみの削減効果を検証する予定とのこと。

 アサヒグループは、今年2月に「環境ビジョン2050」を策定した。2050年までに、事業活動における環境負荷ゼロ(ニュートラル)を目指すとともに、グループの独自技術や知見を生かした新たな環境価値創出(プラス)に取り組んでいる。

 今回、「森のタンブラー」のテスト展開によって、環境に優しい容器の普及活動を進めることで、「事業を通じた持続可能な社会への貢献」を目指していく考え。

 京都大学 生存圏研究所 矢野浩之教授は、「豊富に存在する木材などの植物資源から作るセルロースは、持続型の脱炭素社会を支える大型産業資材として世界中で研究が進められている。今回、泡の良さのような新たな特徴を活かし、セルロースファイバー成形材料が世界で初めてビール用カップに使われることは、人と環境に優しい植物材料には多くの可能性があることを示している。今後、様々なバイオマス材料や食品加工後の植物性残渣の活用が進むことを期待する」とコメントしている。

アサヒビール=https://www.asahibeer.co.jp/
パナソニック=https://panasonic.jp/


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